【完全解説】タイの銀行について、タイで働く人が知っておくべきこと

(タイの銀行)

(タイの銀行)

この記事では、タイで働いている人、これから働く人に向けて、タイの銀行について僕が知っている全ての知識を伝えたいと思う。

タイで生活する上で、銀行はなくてはならないインフラだ。給与はほぼ全ての会社が銀行振込だし、家賃も銀行振込で払うことが多い。いまでは食事のワリカンも銀行のスマホアプリを使って送金することが多くなった。

タイの銀行について、自分で実際に体験して覚えるのも悪くないが、この記事を読めば簡単にタイの銀行の全体像がつかめると思う。参考になれば幸いである。

タイで銀行口座を開設する

タイで銀行口座を開設するためには、基本的には労働許可証(WP)が必要である。それらがなくても開設できる方法はあるのだが、ここでは説明しない。

すなわち、タイで合法的に働いている人であれば、全く問題なく銀行口座を開設できる

口座開設に必要なものは以下の通り。

  1. パスポート
  2. 労働許可証(WP)
  3. 自宅の住所、会社の住所、携帯電話番号といった情報
  4. 初回入金用の現金+ATMカード発行手数料=500バーツ程度

銀行口座を開設するときはWPが必要だが、それ以降は必要ない。通帳を更新するときも必要なのはパスポートだけだ。そのため、一度作ってしまえば、もし退職しても銀行口座はそのまま維持できる。

WPを持たない家族はどうすれば?

では、家族と一緒にタイに来てWPを持っていない人、いわゆる駐妻などの場合はどうだろう。その場合は、主に3つの方法で口座を開くことができる。

1. 共同口座

WP保有者と共同名義で口座を開設することができる。

この共同口座には2種類ある。
1. 2人が揃ってないと出金できない口座
2. 2人のどちらか一方が自由に出金できる口座

ただし、どちらの口座を作るにしても、手続きに多少の手間がかかる。

2. 自分の口座開設

家族ビザ(O-VISA)を持っているなら、日本大使館かイミグレで居住証明を取得すれば、口座を開設することができる。ただし、銀行によってはできないこともあるようだ。後述する日本語窓口なら問題ないと思う。

3. WP保有者の口座を借りる

厳密に言えばダメなのだろうが、WP保有者が口座を開設して、家族にATMカードを渡し、家族に使わせているケースも多いと思う。このようにする場合は、同じ銀行で口座を作ると、スマホアプリからお互いの口座が丸見えになるし、電話番号を分けられないので不便が多い。家族に使わせる場合は、銀行を別々にすると良いだろう。

タイ大手銀行の一覧

(バンコク銀行)

(バンコク銀行)

タイの大手銀行について簡単に紹介したい。カッコ内は銀行のイメージカラーだ。

  • サイアム商業銀行(紫):通称SCB銀行、支店数は最多、IT化では最先端を進む
  • バンコク銀行(青):通称バン銀、日本の銀行と提携しているため日系企業の利用多し
  • カシコン銀行(緑):バンコク銀行と同じく日系企業の利用多し、支店は混む
  • アユタヤ銀行(黃):三菱UFJ銀行傘下、日系企業の利用多し、支店は割と空いてる

タイで就職するとすぐ、「ウチはなになに銀行で給料を振り込むので、口座を開いてね」と言われるはずだ。その銀行の口座を開設しよう。

上に挙げた4行であれば、サービスにそれほどの差はない。筆者は上で挙げた4行のスマホアプリも使っているが、どこも同じくらい良くできている。支店の数に違いはあるが、実際に支店に行って手続きをすることはあまりない。ほとんどのサービスがスマホアプリで完結してしまうので、支店が見つからなくて困るということもないだろう。

タイの銀行口座の種類

日本の銀行は、普通預金・定期預金などがまとまった「総合口座」を提供しているが、タイにはこのようなサービスはない

基本は「普通預金口座」(英語:Saving Account, タイ語:บัญชีออมทรัพย์)である。これに ATMカードを発行しても、しなくてもよい(ATMカードについては後述)。ただしインターネット・バンキングは非常に便利なので、必ず申し込むようにしよう。開設時に登録する電話番号には、認証に使うワンタイムパスワードが送られてくる。いつも使っている番号を登録しよう。できれば会社の電話番号ではなく、個人の電話番号を使うことをおすすめする。

他には定期預金などがあるが、現在の定期預金の年利は 1.0~2.0% 程度と、あまり魅力的ではない。タイで働くのなら、余ったお金は定期預金でなく、節税できる保険・LTFなどの購入に充てた方が確実に得だ。こういった節税商品の初年度利回りは 10~25% 以上になる。

参考記事:

タイの個人所得税を節税する方法を徹底解説。本人控除、配偶者控除、子供控除から、自分で買う必要がある生命保険、RMF、LTF、年金保険の条件、上限金額など。おすすめの節税方法も提案しています。

口座維持費

普通口座は、預金残高が 2,000バーツ以上あれば口座維持費はかからない。残高が 2,000バーツ未満で、かつ取引が1年間ないと、維持費として毎月50バーツが引かれる。放置する場合は、2,000バーツ以上を預けるか、1年以内に取引をするようにしよう。

また、半年ほど入出金がないと、口座が凍結されることがある。その場合は銀行に行って100バーツでも入金すればまた使えるようになる。

ATMカードは必要か?

(SCB銀行のATM)

(SCB銀行のATM 現在はカードレスで現金を引き出せる)

普通口座を開設すると、ATMカードを発行するかと聞かれる。ATMカードには銀行によっていくつか種類があるが、一番安いもので発行料 100バーツ、年会費 200バーツである。銀行によっては、年会費 600バーツ以上の高いカードもあり、それにはATM機能に加えて傷害保険などが付いている(この保険は不要)。

現金を引き出すために使う ATM カード。日本だと当たり前に作るのだが、タイではカードレスで現金を下ろせるので、ATM カードは作らなくても良いと思う。筆者も以前は持っていたが、カードレスで問題なく引き出せることがわかったので、銀行にカードを返却した。

カードレスのメリット

  • カードの手数料(年200バーツ)が不要になる
  • カードの取り忘れや紛失、カードが出てこないといったトラブルと無縁に(タイでは多い)
  • ATMカードを偽造されない

一方、デメリットとしては

  • その銀行のATMでないとカードレスの引き出しができない(他行のATMでは下ろせない)

がある。ただし、SCB銀行やカシコン銀行などの大手であれば、ATMはどこにでもあるので不便はないだろう。また、将来的には他行でも引き出せるようになるはずだ。

参考記事:

タイの銀行は、SCB銀行・アユタヤ銀行・TMB銀行・政府貯蓄銀行・カシコン銀行の5行が「カードレスATM」サービスを開始。カードレスATMのメリットや、その将来について考えてみました。

ATMの引き出し手数料は、自行の区域内にあるATMを使うなら無料だ。それ以外の場合には、20バーツ程度の引き出し手数料がかかることがある。ただしSCB銀行のカードレスならどこでも完全無料である。

スマホアプリは必須!

(SCB銀行)

(SCB銀行)

口座を開設したら、銀行のスマホアプリは必ずインストールしよう。スマホアプリを使えばできることは、

  • カードレスでATMから現金引き出し
  • 残高照会
  • 電気代・水道代・カード代金などの支払い
  • PromptPay や QRコードによる入出金、支払い

などである。タイの銀行アプリは、日本と比べても遜色ないレベルに仕上がっている。また、かつてのタイではATMカードが偽造され、持ち主が知らないうちに預金が引き出されるという事件もあったが、スマホアプリで詐取されたという事件はまだ聞いたことがない。安全性についても心配しないでいいと思う。

振込は完全無料!

(引用元:blognone.com タイのQRコードをスキャンしたもの。EMVCo という規格を用いているそうです)

(引用元:blognone.com タイのQRコードをスキャンしたもの。EMVCo という規格を用いているそうです)

タイの銀行振込は完全無料だ。かつては10~20バーツ程度の振込手数料が必要だったが、2018年3月頃に各行が相次いで振込手数料の無料化を発表し、現在では完全に無料化されている。

参考記事:

2018年3月28日、タイのバンコク銀行、SCB銀行、カシコン銀行、クルンタイ銀行の4行が、インターネットバンキングの手数料を無料化...

また、日本では銀行振込が入金されるまでに少し時間がかかるが、タイでは即座に入金される。振込は完全無料で、即時入金。これに関しては日本より進んでいると言える。

振込には2種類ある。

  1. タイ送金システム PromptPay による送金:電話番号または13桁の国民IDを使う。国民IDの送金はタイ人のみ。電話番号の送金は外国人も可
  2. 銀行振込による送金:銀行名と口座番号を使う

どちらでも無料・即時入金であることは変わらない。ちなみに QRコードによる送金は PromptPay のシステムを利用している。

銀行で扱っている他の商品

銀行では他にも

  • クレジットカード
  • 生命保険、年金保険
  • 投資信託(LTF、RFMを含む)

を扱っている。興味があれば聞いてみるといいだろう。こういった商品は銀行の儲けが多い、いわゆる「オイシイ商品」なので、喜んで教えてくれるはずだ。

銀行の日本語デスク

(アユタヤ銀行)

(アユタヤ銀行 2013年に三菱東京UFJ銀行の連結子会社になった)

タイの各行は日本語デスクを用意して、日本語が話せる行員を置き、日本人向けのサービスを提供している。エムクオーティエやプロンポン駅の周辺なら、日本語が話せる行員がいるはずだ。気軽に訪ねてみよう。

アユタヤ銀行なら、日本語コールセンター(電話 1572 で 3 を押す)もあるし、以下の4ヶ所に日本語デスクがある。日本人にはおすすめの銀行だ。

  • エムクオーティエ支店(エムクオーティエ3階)
  • バンコックトンソン支店(BTS プルーンチット駅近く)
  • ジェイアベニュー・トンロー支店
  • イオンシラシャ・ショッピングセンター支店

本帰国のときはどうする?

本帰国のときに銀行口座をどうするか。

またタイに来る予定があったり、契約中の保険の受取口座として必要だったりするなら、口座はそのままにしておけばいいだろう。その場合は、維持費がかからないように残高を 2,000バーツ以上にすると良い。

駐在員の本帰国などで、もうタイに来ないのであれば、解約することも検討しよう。通帳とATMカード、パスポートを持って銀行の支店に行けば口座を解約できる。面倒ならば、全額を引き出すか他の口座に振り替えて、残高をゼロにするという手もある。

年度途中で帰任し、所得税の還付を受ける場合は、退職する前にクルンタイ銀行の普通口座を作っておくこと。そうしないと還付金の受け取りに苦労する。詳細は下記記事を参照。

この記事では、タイの所得税還付金の受け取り方を解説しています。 2017年度までは、送られてきた小切手を銀行に持っていくだけで...

おわりに

僕が知っている知識をまとめてみたが、不足している部分もあると思う。ここを追加してほしい!ここがよくわからない!といった、ご意見、ご要望は大歓迎です。お気軽にコメントください。

コメント

  1. Boon より:

    口座維持費(普通口座は、預金残高が 2,000バーツ以上あれば口座維持費はかからない)については、年間を通じて月間常に2,000バーツ以上必要なのか、あるいは残高確認の基準日などはあるのでしょうか。定期を組んでいるので、普通預金の残高はいつもわずかしかありません。

    • nisizawa より:

      Boon さん、コメントありがとうございます。
      確認しましたところ、正しくは「残高が 2,000バーツ未満で、かつ取引が1年間ないと、維持費として毎月50バーツが引かれる」です。記事も修正しました。

  2. Boon より:

    nisizawaさま、ご確認頂きありがとうございました。「かつ」とございますので、取引が年間1回でもあれば、残高が2,000バーツを下っても、維持費は徴収されないと理解してよろしいでしょうか。

  3. ito より:

    1年使わなかったらロックされてしまい
    解除するのに苦労するので
    本帰国後も毎年来る予定がなければ解約したほうがいいかも