【2018年版】タイの RMF(退職投資信託)情報まとめ

タイで個人所得税を節税する手段のひとつが、この RMF(退職投資信託)の購入です。

RMF は、LTF(長期投資信託)や生命保険といった他の節税手段と同じように、購入時に所得控除が受けられます。ただし、自分で貯める退職金という性質があるため、売却できるのは満55歳以降になってからです。このため、若い方には向いていませんが、40代後半以降の方にはおすすめの節税方法です。

LTF(長期投資信託)は2019年を最後に終了が決定していますので、替わりとなる節税手段として、 RMF を検討する方が増えそうですね。

RMF に関する Q & A

Q. RMF とは?

A. 「Retirement Mutual Fund」の略で、日本語に訳すと「退職投資信託」です。タイの公的年金制度は貧弱なため、定年に備えて市民が自分で貯蓄ができるようにと、タイ政府が定めた税の優遇制度です。この制度で定められた投資信託を購入すると、購入時と売却時に税の優遇が受けられます。

Q. RMF が通常の投資信託と異なる点は?

A. 3つあります。

  1. 条件を満たすと、税法上の恩典が受けられる
  2. RMFは譲渡・質入れできない
  3. 配当がない

Q. RMF を利用する条件は?

A. 4つの条件があります。

  1. 購入を始めたら、途中で止めてはならない。年1回以上は購入すること
  2. 購入の最低金額は、年間所得の 3% か 5,000バーツのどちらか少ない方(年収17万バーツ以上なら後者)。購入金額は毎年異なっても良い
  3. 途中で購入を1年間休んでも良いが、連続2年間休んではならない(1年おきの購入は可)
  4. 売却は、満55歳かつ投資期間が満5年(購入しなかった年は数えない)になってから。満5年保有したら売却可

Q. RMF で所得控除を受ける条件は?

A. 年金保険控除と合算して、年間最大500,000バーツまで控除できます。ただし課税所得の15%までです。それを超えた分は控除できず、売却時にキャピタルゲインを所得として申告する必要があります。

Q. RMF の購入時に税金はいくら還付されるの?

A. 2つのケースを考えてみます。

  1. 所得100万バーツの人が最大限の15万バーツ購入 → 所得税3万バーツ(15万 x 20%)が還付される
  2. 所得200万バーツの人が最大限の30万バーツ購入 → 所得税7.5万バーツ(30万 x 25%)が還付される

Q. RMF のリスクは?

A. 投資信託ですので、元本は保証されず、下落のリスクがあります。ただし、株式型、債券型、混合型、金投資型などさまざまな RMF がありますので、商品を選べば自分でリスクをコントロールできます。

また、赤字になるのは、投資信託の価値が還付額以上に下落したとき、つまり上記の例で言えば 20~25% 下落したときなので、私は赤字になる可能性は低いと考えています。

なお、販売した銀行や証券会社が倒産しても、投資信託の資産は保全されます。

Q. 注意点は?

A. 満55歳になり、5年保有するまでは解約できないので、計画的に購入しましょう。あと、年初の還付申請を忘れると還付されませんのでご注意を。

Q. どこで買えばいい?

A. 銀行、証券会社で購入できます。手軽に買えるのは バンコク銀行、SCB銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行などの大手銀行です。必要な書類は、パスポートと労働許可証です。

Q. 売却益や分配金(配当)は課税される?

A. RMF には分配金(配当)はありません。売却益は非課税ですが、課税所得の15%を超えて購入した分は、売却時にキャピタルゲインを所得として申告する必要があります。

Q. どの RMF を買えばいい?

A. 各社がさまざまな RMF を販売しています。どの RMF の価格が上がるかはわかりませんので、手数料が一番低いものを選ぶのが投資の基本です。次の項で、おすすめのRMFを紹介しています。

おすすめの RMF

タイの大手銀行(バンコク銀行、SCB銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行)が販売している RMF から、おすすめの RMF を選んでみました。購入する際は、手数料、リスク、過去の実績などを検討すると良いでしょう。

・リスクレベルは、1(低リスク)~8(高リスク)の8段階です。
・RMF 名をクリックすると詳細ページに移動します。
・2018年2月時点の情報を基にしています。

債券型の RMF

主にタイの国債や社債で運用する投資信託です。

債券価格は金利が上昇すると下がり、金利が下降すると上がります。2018年のタイは低金利ですので、金利が上昇すると債券価格が下る可能性がありますのでご注意ください。

運用会社 名称 リスクレベル 手数料率
クルンシイ KFCASHRMF 1 0.42%
クルンシイ KFGOVRMF 4 0.47%
カシコン KSFRMF 4 0.55%
バンコク BFRMF 4 0.64%
SCB SCBRM1 4 0.67%

株式型の RMF

主に株式で運用する投資信託です。

数字の100がついているものはタイのSET100指数、50がついているものはタイのSET50指数の連動型です。

運用会社 名称 リスクレベル 手数料率
クルンシイ KFS100RMF 6 0.75%
カシコン KS50RMF 6 0.80%
SCB SCBRMS50 6 1.19%
バンコク BSIRIRMF 6 1.76%

LTF でもそうだったんですが(下記記事参照)、やはりクルンシイ(アユタヤ銀行)の手数料が最安ですね。

タイで節税のためにLTFを買っているけど、どのLTFを買えばよくわからない、結局どれが得なんだろう?と迷っている方のために、タイの銀行・証券会社が販売している全80本のLTFを調査・比較して、ベストのLTFを選びました。

RMF の購入例

例えば、満45歳の誕生日から満54歳の誕生日までの10年間、RMF を毎年10万バーツ購入したとします。

  • 45~54歳までの10年間に、計100万バーツを購入
  • 節税額は2.5万バーツ/年 x 10年 = 計25万バーツ(税率25%の場合)
  • 55歳になったとき、5年以上保有した60万バーツ分を売却できる
  • 56~59歳に毎年10万バーツ分を売却できる

55~59歳で売却せずに、例えば60歳で全額売却することも可能です。こうしてみると、55歳でもらえる退職金になっていることがよくわかりますね。

上の例では購入金額=売却金額にしていますが、実際には購入した RMF の値上がりも期待できます。株式型、債券型、混合型、金投資型などさまざまな RMF がありますので、ハイリスク・ハイリターンを狙う方は株式型を、堅実に増やしたい方は債券型を、その中間を目指す方は株式30%+債券70%を購入するなどして、自分に合ったポートフォリオを組むことができます。

最後になりましたが、投資の判断はご自分で行ってくださいませ。

コメント

  1. すずき より:

    昨年よりRMFを購入しています。
    RMFは、毎年購入しなければならないという条件を初めて知りました。
    55歳までの間に、帰国や、長い期間の失業、リタイアをした場合、大きな問題になりそうです。
    どういう問題になるのか、ご存知であれば、ご教示願います。

    • nisizawa より:

      こちらのウェブサイトによると、条件に違反した場合は、過去5年間にさかのぼって納税する必要があります。購入の最低金額は 5,000バーツですので、何かあっても毎年 5,000バーツは購入したほうがいいですね。インターネット・バンキングの登録をしておけば、日本に帰国してもネットで RMF を購入できます。