【2020年最新版】タイの個人所得税を節税する方法と手順【完全解説】

この記事では、タイで働き、個人所得税を納めている方に向けて、タイで個人所得税を節税するための方法と、実際の手順について解説しています。

タイでは、個人ができる節税の手段がいくつもあります。

面倒くさいから、、、よくわからないから、、、と放っておくと、毎年数万バーツも税金を多く納めることになります。長年に渡り節税し、それを複利で運用した人と、何もせずに放っておいて税金を支払った人では、10年、20年と経ったとき、どれぐらい差がつくでしょうか。

いまからでも遅くありません。もしいままで節税をしていなくても、この記事を読んで、今年から節税を初めてみてはいかがでしょう?

タイの個人所得から控除できる金額

タイの個人所得からは、以下の金額を控除できます。

  1. 本人控除 6万バーツ
  2. 配偶者控除 6万バーツ 配偶者が無収入であること 本人または配偶者の両方に収入がある場合は、合算して最大12万バーツまで控除
  3. 子供控除 1人あたり3万バーツ 2018年以降に誕生した2人目以降は1人あたり+3万バーツ
  4. 60歳以上の父母の扶養控除 本人と配偶者の父母1人あたり3万バーツ 最大4人まで
  5. 障がい者扶養控除 1人あたり6万バーツ
  6. 妊娠・出産控除 実際にかかった費用を最大6万バーツまで
  7. 生命保険控除 最大10万バーツまで 満期10年以上 配偶者が無収入で、年間を通じて結婚してるなら、配偶者保険を最大1万バーツまで ここには、本人の医療保険控除を2万5千バーツまで含めてよい
  8. 両親医療保険控除 1人あたり最大1万5千バーツまで
  9. 退職積立基金(プロビデントファンド)控除 最大50万バーツまで ただし1万バーツ超の分は課税所得の15%以内
  10. 退職投資信託(RMF)控除 課税所得の30%以内(2020年に15%→30%へ) 9.退職積立基金+10.RMF+11.年金保険控除+13.SSFの合算額は最大50万バーツまで
    参考 RMF詳細解説
  11. 年金保険控除 最大20万バーツまで ただし課税所得の15%以内 契約期間10年以上 受給期間は、開始が55歳以降で、終了が85歳以降であること  9.退職積立基金+10.RMF+11.年金保険控除+13.SSFの合算額は最大50万バーツまで
    参考 年金保険の詳細解説
  12. 公的貯蓄基金控除 RMFと合算して最大50万バーツまで
  13. スーパー・セービング・ファンド(SSF)控除 最大20万バーツまで ただし課税所得の30%以内 要保有期間10年以上 9.退職積立基金+10.RMF+11.年金保険控除+13.SSFの合算額は最大50万バーツまで
    参考 SSFの詳細解説
  14. スーパー・セービング・ファンド・エクストラ(SSFX)控除 最大20万バーツまで 2020年4月1日~6月30日の購入限定 要保有期間10年以上 2020年のみ
    参考 SSFXの詳細解説
  15. 住宅利子控除 最大10万バーツまで
  16. 社会保険控除 実支払額(通常は750バーツ x 12ヶ月 = 9千バーツ、2020年は軽減措置があり5,850バーツ、コメント欄に詳細あり)
  17. 寄付金控除 教育・スポーツ期間への寄付は寄付額の2倍、それ以外への寄付は実支払額 ただし課税所得の10%以内
  18. 買い物減税 10月23日(金)~12月31日(木)に買い物すると最大3万バーツまで控除可 2020年のみ
    参考 買い物減税の詳細解説
  19. 経費控除 10万バーツ

(出典:タイ歳入局 ←このページの内容は2019年のまま未更新 2020年の情報はこちら)

1~6, 16, 19 は申請するだけで控除されますが、7~18 は自分から投資・購入しなければ控除されません。

例えば、控除後の課税所得が100万バーツの人が、10万バーツの生命保険を買うと、10万バーツを控除できますので、課税所得は90万バーツになります。

所得100万バーツに対する所得税は115,000バーツ、所得90万バーツに対しては95,000バーツですので、2万バーツの節税になります。そして生命保険は元金+利子が戻ってきます。節税は損にはならないので、できる限りやった方が得です。

では、どれを優先してやるべきでしょうか? それを次の項で説明します。

おすすめの節税手段

節税をするためにはお金が必要です。いま、節税のためにいくらまで使えるか?というあなたの予算によって、できることは変わってきます。

ここでは優先順位をつけて、節税の手順を解説します。あくまで一例ですが、上から順に節税をしてみてはいかがでしょう。

1. 生命保険控除 本人分10万バーツ+配偶者分1万バーツまで

まず、生命保険を契約しましょう。

これは、無リスクで貯金ができる、貯蓄型の生命保険です。通常は、毎年1回の掛金を5年ほど支払って、10年後以降の満期になると、掛金の全額+利子が返ってきます。

銀行などで相談すると、満期15~20年の保険を勧められることが多いのですが、所得控除に使えるのは、満期10年以上の保険です。最近は、満期10年のプランを販売している保険会社が少なくなり、満期15年程度のプランを提案されることも多くなりました。担当の方にお願いして、できるだけ満期までの期間が短いプランを作ってもらいましょう。

金額は、10万バーツまでのいくらでも構いません。余裕がなければ年1万バーツでも良いと思います。初年度の利回りは、節税分15~25%+保険の運用利率1~2%=16~27%になりますので、銀行の定期預金で年1~2%をもらうよりも絶対にお得です

2. スーパー・セービング・ファンド・エクストラ(SSFX)控除 最大20万バーツ

まだ予算があれば、SSFXを購入するのが良いでしょう。これは2020年限りの減税策です。

SSFX は投資信託で、銀行が複数の商品を販売していますので、そこから選んで購入することになります。株価次第で損するリスクがありますので、それを理解した上で購入してください。簡単に言えば、株式インデックスファンドは平均では年5%程度上がりますが、リーマンショックなどの大暴落時には、30%ほど下がるリスクがあります。

購入できる金額は最大20万バーツです。所得が100万バーツなら、税率20%で4万バーツを節税できます。

SSFXの買い方、選び方などの詳細については、こちらの記事「4月1日~6日30日限定で購入できる SSF Extra を各行が発表!! ベスト SSFX はこれだ!!で解説しています。

SSFXの初年度利回りは、節税分15~25%+運用利回り5%=20~30%と考えればよいと思います。

3. 退職投資信託(RMF)控除 退職積立・RMF・年金保険・SSFと合算して最大50万バーツ ただし課税所得の30%以内

RMF も SSF と同じく投資信託で、銀行が複数の商品を販売していますので、そこから選んで購入すると節税できます。ただし、SSFが足掛け10年で売却できるのに対して、RMFは5年以上保有し、かつ55歳にならないと売却できません。
会社で退職積立基金に加入している場合は、その掛金もこの枠に含まれます。

RMF の詳細については、別記事「タイの RMF(退職投資信託)情報まとめ」をご覧ください。

RMF の初年度利回りは、SSF と同じく、節税分15~25%+RMFの運用利回り5%=20~30%と考えればよいと思います。

4. 年金保険控除 最大20万バーツ 退職積立・RMF・年金保険・SSFと合算して最大50万バーツ

それでもまだ資金の余裕があるなら、年金保険を購入すると良いでしょう。詳細については、こちらの記事「タイの年金保険」をご参照ください。ただし利回りは、上記の生命保険・LTF・RMFほどお得ではなく、銀行の定期預金よりもちょっと良い程度です。

年金保険+RMF+退職金積立+SSFを合算して最大50万バーツまで所得を控除できます。

以上の控除手段を全て行うと・・・?

例を挙げて計算してみましょう。仮に課税所得が100万バーツで、

  • 生命保険控除:10万バーツ
  • 長期投資信託(SSF):20万バーツ
  • 退職投資信託(RMF):10万バーツ
  • 計40万バーツ

を購入したとします。最高額は SSF+RMFで50万バーツの計70万バーツなんですが、所得100万バーツで70万バーツを貯金するのもムリがありますので、ここでは仮に40万バーツとしました。

この場合、所得の100万バーツから40万バーツを控除して、課税所得は60万バーツに減ります。所得100万バーツに対する所得税115,000バーツが、所得60万バーツに対しては42,500バーツになりますので、年間72,500バーツ(=月あたり6,041バーツ)の節税です。

このうち、生命保険とSSFに使った計30万バーツは10年、RMFの10万バーツは55歳まで引き出せなくなります。あまり無理な節税はやめておきましょう。節税は計画的に!

個人所得税の計算は、こちらのタイ個人所得税計算機が便利です。

毎年少しずつでも、積み重なれば大きな金額になります。もしいままでは節税をしたことがなくても、今年から初めてみてはいかがでしょうか?

実際に節税をする手順

実際に投資商品を購入し、節税する手順を簡単に説明します。

1. 投資商品を購入

まずは投資商品を購入します。購入できる場所は、

SSF/RMF:銀行、証券会社
生命/年金保険:保険代理店、保険エージェント、銀行

といったところです。

僕の場合は、SSF/RMFはアユタヤ銀行のネットバンキングで購入し、保険は KS Lifeさんにお願いしています。

2. 購入証明書を入手

節税のためには、SSF/RMFや保険の購入証明書が必要になります。通常は、年明け頃になると、郵送されてきたり、ネットでダウンロードできるようになります。

(アユタヤ銀行のLTF購入証明書)

(アユタヤ銀行のLTF購入証明書)

アユタヤ銀行のSSF/RMFならネットバンキングから、アリアンツ・アユタヤ社の保険ならスマホアプリからダウンロードできます。

3. 確定申告を行う

毎年3月31日までに、前年分の確定申告を行う必要があります。

会計事務所に税金の計算を依頼している方は、購入証明書のコピーを会計事務所へ送って、確定申告書を作成してもらいましょう。

自分で確定申告をしている方は、下記のブログを参考にしてください。内容は2016年度のものですが、現在でもほとんど変わっていないはずですので、特に問題はないと思います。

2017年が始まってもう1か月経ってしまいました。早いですね。。。日本もそうですがタイも1-3月は確定申告の時期になります。日本で会社勤めしている場合には総務部門の方ですべて処理されるため、給与外収入がある場合を除きほとんどの方が確定申告と

ちなみに所得税の計算方法は以下の通りです。

  1. 収入から退職積立基金の1万バーツを超えた分と、経費(10万バーツ)を引きます。これが所得です。RMFの上限はこの所得の30%までになります。SSFも同様です。
  2. この所得から、RMF、SSF、生命保険、年金保険、社会保険、退職積立基金の1万バーツまでの分などを引きます。これが課税所得です。
  3. この課税所得に対して所得税を計算します。

4. 還付金を受け取る

還付金の受け取り方については、下記の記事をご参照ください。

この記事では、タイの所得税還付金の受け取り方を解説しています。 2017年度までは、送られてきた小切手を銀行に持っていくだけで...

還付金がいつごろ来るかは運次第でして(笑)、すぐもらえたという人もいれば、7月、8月になってもらえたという人もいます。

日本語で相談できる保険代理店

僕の場合は、生命保険・年金保険を KSライフの原さんと片桐さんにお願いしています。日本語で相談できますので、保険に興味がある方は、問合せてみてください。電話・メールのレスポンスも早く、親身になって相談に乗ってくれる方です。

KS Life の原さんに了承をいただいて、連絡先を掲載しておきます。「ランシット日記」を見たとお伝えください。

KSライフ 担当:原さん、片桐さん
電話:097-098-4091
電子メール:info@thai-hoken.com

タイ、バンコクを拠点にタイ国内保険会社の保険や年金商品をタイに在住のお客様向けに提供しております。各保険会社の商品をご相談頂いたお客様のニーズに合わせて説明し保険や年金加入のお手伝いをいたします。

コメント

  1. mayamaya より:

    RMFのMAX購入額についてですが、「課税所得の30%まで」の「課税所得」とは、所得から本人控除6万バーツ等を控除した後の金額のことになるんでしょうか?

    • nisizawa より:

      その通りです。
      所得から各種控除を引いた額が課税所得です。

      • mayamaya より:

        早速のご回答ありがとうございます。
        ということは、生命保険やRMF自体の控除も差し引いてから、残った金額が課税所得額になるということで合ってますでしょうか?
        その残った課税所得額の3割まで買えるということですか?

        • nisizawa より:

          mayamaya さん
          コメントありがとうございます。

          「所得から各種控除を引いた額が課税所得です」と回答しましたが、昨年の確定申告書を確認したところ、間違っていましたので訂正させてください。

          まず、収入から退職積立基金の1万バーツを超えた分と経費(10万バーツ)を引きます。これが所得です。
          RMFはこの所得の30%までです。SSFも同様です。
          所得から、RMF、SSF、生命保険、年金保険、社会保険、退職積立基金の1万バーツまでの分などを引きます。これが課税所得です。
          この課税所得に対して所得税を計算して、払いすぎていたら還付、不足なら追加で納付します。

          正確にはこのような計算になります。
          間違った回答をしてしまい申し訳ありません。

          • mayamaya より:

            nisizawaさま
            ご丁寧に説明いただきまして、ありがとうございます。大変良く分かりました。RMF購入の参考にさせていただきます。

  2. kuro より:

    所得税の控除ですが
    ●経費控除(2019年から)100,000THB
    3.子供控除:1人30,000THB ※但し、2018年以降に生まれた子に関しては追加で30,000THB
    ●出産費用控除:本人(もしくは配偶者)が出産及びそれに関わる健診費用を最大60,000THB/1回あたり控除可能 ※課税年度を跨いだ場合にはいずれか片方の年度のみ

    が追加・修正かと存じます。
    出産に関しては私のタイ人妻が年末~年始のいずれかで出産予定ですので、詳細を確認してみました。

    • kuro より:

      間違えました
      本人控除(2018年まで)60,000THB→(2019年から)100,000THB
      経費控除(2018年まで)30,000THB→(2019年から)60,000THB

      でした。

      • nisizawa より:

        ちくたゆさん、ありがとうございます。
        いただいた情報を確認しまして、子供控除、出産控除を修正しました。
        お礼申し上げます。

        本人控除と経費控除については、私の確定申告書を確認してみたところ、以下のようになっていました。
        本人控除(2016年まで)30,000THB→(2017年から)60,000THB
        経費控除(2016年まで)60,000THB→(2017年から)100,000THB

        • kuro より:

          16.社会保険控除 実支払額(750バーツ x 12ヶ月 = 9千バーツ)
          ですが、通常だと年間9,000THBですが
          2020年度はコロナによる政府支援として、個人負担分が軽減されています
          3月~5月の3ヶ月=150THB×3
          9月~11月の3ヶ月=300THB×3
          ですので、(750THB×6ヶ月+(150THB×3ヶ月)+(300THB×3ヶ月)
          合計5,850THBが2020年の社会保険控除額となるかと存じます。

          • nisizawa より:

            kuroさん、ありがとうございます。いただいた情報を基に、社会保険の項に追記しました。