
僕はタイで、シティバンクのクレジットカード「Citi Cash Back」を長年使っていた。それが2024年のある日、シンガポールのUOB銀行のカードに変わって届いた。シティバンクがタイの個人向け事業から撤退し、UOBに引き継がれたからだ。
この記事はもともと、タイ・シティバンクのクレジットカード全11種を紹介する記事だった。紹介していたカードはすべて新規申込ができなくなったので、「シティのカードはどうなったのか」を時系列で振り返り、いまどうなっているのかをまとめる記事に全面的に書き直した。旧シティのカードを持っていた人、「そういえばタイのシティってどうなったんだっけ?」と気になっている人に向けて書く。
3行でまとめると
- シティバンクは2021年、タイを含む13市場の個人向け事業からの撤退を発表。タイの事業はシンガポールのUOB銀行が買収した
- 2024年4月にシステム移管が完了し、旧シティのカードはUOBのカードに切り替わった。旧カードが使えたのは2025年4月まで
- 移行直後は混乱もあったが、いまは落ち着いている。僕のCiti Cash BackはUOB Oneになり、そのままメインカードとして使っている
何が起きたのか。時系列で振り返る
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年4月 | シティグループが、世界13市場の個人向け事業からの撤退を発表。タイもその一つ |
| 2022年1月 | シンガポールのUOB銀行が、タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム4カ国の個人向け事業の買収を発表(総額約49億シンガポールドル。当時の報道で約4,100億円) |
| 2022年11月 | タイの事業譲渡が完了。シティの従業員3,000人超がUOBへ移籍 |
| 2023年12月 | UOBタイが提携カード5種(Grab・Lazada・Makro・メルセデス・ベンツ・タイ航空ROP)を発表 |
| 2024年4月 | 約120万口座のシステム移管が完了。新しいUOBカードの発送が始まる |
| 2025年4月 | 旧シティブランドのカードが利用停止 |
| 2026年 | 移行はほぼ完了(2025年時点で顧客の92%が移行済みと報道) |
売却されたのは個人向けの事業(クレジットカード・預金・ローン・資産運用)だけで、法人向けのシティバンクはいまもタイで営業を続けている。「シティがタイから消えた」わけではない。個人向けだけ撤退、というのは日本のシティバンクと同じパターンだ。
手元のシティカードは、どのUOBカードになったのか
UOBは「同等の特典を持つUOBカードに切り替える」と案内しただけで、公式の1対1の対応表は公表していない。以下は各種報道からの整理に、僕自身の体験を加えたものだ。
| 旧シティのカード | 切り替え先 | 備考 |
|---|---|---|
| Citi Cash Back | UOB One など | 僕はこのパターン(下で詳しく) |
| Citi Rewards | UOB World が有力 | 確定情報なし |
| Citi Premier | UOB Premier | 報道ベース |
| Citi Prestige | UOB Zenith | 報道ベース |
| Citi ROP(タイ航空提携) | UOB ROP | タイ航空との提携ごとUOBが承継 |
| Citi Lazada / Grab / Makro | UOB Lazada / Grab / Makro | 提携ごと承継 |
| Citi Ready Credit | UOB Cash Plus | UOB公式FAQに明記 |
切り替えの実務は、思ったより丁寧だった。
- ポイント(Citi Rewards)は1対1でUOBのポイントに全量移管。「有効期限なし」の条件もそのまま継続
- カード番号16桁は変わらず、有効期限とセキュリティコードだけ新しくなった
- 利用限度額も旧シティの枠を引き継いだ
僕のCash Backは、UOB Oneになった
2024年、こちらは何の手続きもしないまま、UOB Oneカードが送られてきた。キャッシュバックの条件は旧Citi Cash Backと同じで、使い勝手は変わらない。UOB OneはBTS・MRTで10%、セブンイレブンやGrabで5%のキャッシュバックが付くカードで、タイの比較サイトでは人気1位の常連になっている。旧シティ組としては、悪くない着地だったと思う。
ひとつだけ、はっきり不便になったことがある。カード代金の自動引き落としが、UOBの口座からしか設定できなくなったことだ。シティ時代は他行の口座から引き落とせたのに、いまは僕の給与口座(UOBではない)から自動で払う手段がない。しかたなく毎月、銀行アプリから手動で振り込んでいる。カードの中身は同じでも、後ろにいる銀行が変わると、こういう細かいところが変わる。
移行直後は混乱していた(いまは収まっている)
2024年4月の移管直後は、正直かなり混乱していた。
- コールセンターへの入電が通常の2.5倍になり、待ち時間が数時間に及ぶことも
- 新アプリ「UOB TMRW」への登録トラブルが多発
- 複数カード保有者の支払額がシステムで自動配分され、意図しない利息が発生
タイ中央銀行が2024年6月にUOBへ是正指導を出す事態にまでなり、UOBはコールセンターを500人から1,500人に増員、支払いの自動配分をやめ、システム起因の利息を全額免除した。それ以降は沈静化して、2026年のいまは平常運転だ。これからUOBのカードを作る人が心配することは、もうない。
いまタイでカードを作るなら
旧シティの受け皿になったUOBは、いまタイで16種類のクレジットカードを出している。日常のキャッシュバック狙いならUOB One、タイ航空のマイルを貯めるならUOB ROP系と、旧シティのラインナップの感覚がだいたいそのまま通用する。
タイで作れるカードの全体像はタイで日本人が作れるクレジットカード【2026年版】にまとめている。申し込みに必要な書類や月収の条件はタイでクレジットカードを申し込むときに必要な書類を、マイル狙いの人は最速でマイルが貯まるタイのクレジットカードをどうぞ。
まとめ
- シティのタイ個人向け事業は2022年にUOBへ売却。カードは2024年4月に切り替わり、旧カードは2025年4月で停止した
- 公式の対応表はないが、Cash Back→UOB Oneのように「同格のUOBカード」への切り替えだった
- ポイントは1対1で引き継がれ、カード番号も変わらなかった。移行期の混乱はもう収まっている
- 自動引き落としはUOB口座限定になった。旧シティ組が実感する変化はここくらいだ
※この記事は、2017年公開の「タイ・シティバンクのクレジットカード全11種【完全解説】」を2026年7月に全面的に書き直したものです。カードの特典・条件は変わることがあるので、申し込み前に最新の公式情報を確認してください。


コメント
先日色々教えて頂きました伊藤です、結局 Citi Prestageで落ち着きました。
とても為になるリビューで助かりました、有難うございます。