タイの旧紙幣はまだ使える?両替方法と高く売れる旧札の見分け方【ラーマ9世のお札】

タイの旧紙幣はまだ使える?両替方法と高く売れる旧札の見分け方【ラーマ9世のお札】

引き出しの奥から、昔のタイ旅行で残ったバーツ紙幣が出てきた。よく見ると、今のお札と顔が違う――そんなときに気になるのが「この旧札、まだ使えるの?」「もしかして高く売れる?」という2点だと思います。

タイ在住25年の僕が、結論から順番に説明します。

結論:タイの旧紙幣は今でも使える

ラーマ9世(プミポン前国王)の肖像が描かれた旧紙幣は、今でも法定通貨のまま。タイ国内で普通に使えます

タイ中央銀行(タイ銀行)は、新しい紙幣を発行するときには必ず「従来の紙幣もこれまで通り使える」と告知しています。タイの紙幣は法律上、廃止の手続きが取られない限り無期限で有効で、2018年に現行のラーマ10世札へ切り替わったあとも、ラーマ9世札が使えなくなったという事実はありません。

実際、切り替え直後のタイでは新旧のお札が普通に混ざって流通していました。2026年現在はさすがにラーマ9世札を見かけることは少なくなりましたが、コンビニやスーパーで出しても、支払いとしては問題なく受け取ってもらえます。

ひとつだけ現実的な注意を。屋台や小さな商店では、あまりに古いデザインのお札やボロボロのお札を出すと、店員さんが見慣れずに戸惑うことがあります。偽札を警戒しているだけで、悪気はありません。そういうときは無理に押し問答せず、レジのしっかりしたコンビニ・スーパー・デパートで使うか、次に説明する銀行での交換に回すのがスムーズです。

古すぎるお札は、タイの銀行で新札に交換できる

「お店で使うのはちょっと不安」という旧札は、タイの市中銀行の支店で現行のお札に交換してもらえます。タイの銀行協会も、記念紙幣や旧紙幣を通常のお札に替えたい場合は銀行の窓口で交換・預け入れができると案内しています。

破れたり欠けたりした紙幣も、タイ中央銀行の規定に沿って銀行窓口で相談できます。タイに行く機会があるなら、これが一番確実な方法です。

日本で旧札は両替できる?

ここが一番つまずきやすいところです。日本の銀行や空港の両替カウンターでは、タイの旧シリーズ紙幣は断られることが多いです。両替店が扱うのは基本的に現行シリーズのみで、ラーマ9世札は「取り扱い対象外」と言われるケースがよくあります。

日本国内での選択肢は2つ。

  • 旧紙幣対応をうたう外貨買取の専門業者(郵送買取あり)に売る。ただしレートは通常の両替より不利で、破れ・補修・落書きなど状態の悪いお札は買取不可のことが多い
  • 次のタイ旅行まで取っておいて、現地で使うか銀行で交換する

金額がまとまっているなら、タイで使うのが一番損がありません。数百バーツ程度なら、記念に取っておくのも僕は好きです。

高く売れる旧札はある?プレミアの条件

「旧札に価値が出ているらしい」という話を聞いて調べに来た方も多いと思います。先に正直なところを言うと、普通に使われて市中に出回った旧札は、ほぼ額面通りの価値です。財布に残っていた100バーツ札が何千円にもなることは、残念ながらまずありません。

プレミアがつくのは、次のような条件に当てはまるお札です。

  • 記念紙幣:在位記念や追悼記念などで発行された特別デザインのお札
  • 特定の組番号・署名:発行枚数が少ないロットや、特定の大臣の署名が入ったもの
  • ゾロ目などの特殊番号:タイでは9が縁起の良い数字とされ、9のゾロ目は特に人気
  • 未使用・美品:折り目のないピン札

参考までに、ラーマ9世崩御後にコレクター人気が高まった2018年当時、タイの新聞で報じられた相場はこんな具合でした。

  • 10バーツ札:組番号「4F」(財務大臣の署名が普通より小さい)→ 5,000バーツ。それ以外は150バーツ程度
  • 20バーツ札:組番号「F12」(ピブーンソンクラーム元帥の署名入り・発行10万枚)→ 40万バーツ。組番号「*」→ 10万バーツ。それ以外は200〜300バーツ程度
  • 100バーツ札:組番号「4F」→ 1万バーツ。それ以外は150バーツ程度
  • 9のゾロ目の紙幣 → 35,000〜40,000バーツ

紙幣番号は7桁なので、9のゾロ目は計算上1,000万枚に1枚。タイの宝くじの1等(100万枚に1枚)より10倍レアです。手元の旧札の番号を、一度確認してみるのは面白いと思います。

ただし、こうした相場は8年前の報道ベースで、コレクター市場は変動します。「うちのはプレミア条件に当てはまりそうだ」という場合だけ、オークションの落札相場や専門店の査定で確かめるのが現実的です。

いま使われているタイの紙幣(2026年時点)

最後に、現行のお札を整理しておきます。旧札との見分けにも使ってください。

現行シリーズは2018年発行開始で、表面はすべてラーマ10世(ワチラーロンコーン国王)の肖像。額面は20・50・100・500・1,000バーツの5種類です。裏面には歴代国王が2人ずつ描かれています。

  • 20バーツ:ラーマ1世・2世
  • 50バーツ:ラーマ3世・4世
  • 100バーツ:ラーマ5世・6世
  • 500バーツ:ラーマ7世・8世
  • 1,000バーツ:ラーマ9世・10世

素材の切り替えも進んでいます。20バーツ札は2022年3月からポリマー(プラスチック)製になり、2025年11月21日からは50バーツ札と100バーツ札もポリマー製に切り替わりました。透明の窓や、角度で色の変わるインク、触ってわかる凸印など、偽造対策と耐久性がだいぶ進化しています。もちろん、このときも紙のお札はそのまま使えるとタイ中央銀行が案内しています。

つまりタイのお札は「紙のラーマ9世札」「紙のラーマ10世札」「ポリマーのラーマ10世札」が混在している状態ですが、どれも有効。安心して使ってください。

ちなみに10バーツは今は硬貨だけで、紙幣の発行はかなり昔に終わっています。古い10バーツ札をお持ちなら、お店で出すより銀行での交換かコレクター向けと考えたほうがいいでしょう。

タイのお金まわり全般は、タイ在住日本人のお金の教科書にまとめているので、あわせてどうぞ。

※この記事は2026年7月時点の情報です。

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