
タイ旅行から帰ってきて、財布に数千バーツが残ったまま引き出しに眠っている。あるいは本帰国が決まって、タイの口座と手元に何十万バーツか残っている。方向は同じ「バーツを円に戻す」でも、この2つは最適解がまったく違います。
この記事では、余ったバーツの畳み方を、金額の大きさ別に整理します。逆方向(日本円をバーツにする話)は日本円からタイバーツへのお得な両替方法にまとめてあるので、そちらをどうぞ。
先に結論だけ。
- 少額なら、タイを出る前にタイで円に戻すのが基本
- 硬貨は両替できない。タイにいるうちに使い切る
- バーツの現金は5万バーツまでしか持ち出せない
- まとまった額は、現金で持ち帰るより送金で動かす
大原則:バーツはタイで円に戻したほうがいい
外貨は「その国の中でいちばん流通している」ので、レートもその国がいちばん良くなります。バーツも同じで、日本でバーツを円に戻すより、タイで円に替えて持ち帰るほうが手取りは多くなるのが普通です。
バンコクの両替商は、日本円の在庫さえあれば逆方向にも応じてくれます。僕も何度かお願いしていますが、必要なのは円→バーツのときと同じでパスポートの原本です。コピーでは断られます。
注意しておきたいのは、円→バーツのレートとバーツ→円のレートは別だということ。レート表は「JPY 買 / 売」のように2列並んでいて、店側が買う値段と売る値段には必ず開きがあります。往復させれば必ずその分だけ目減りするので、「余ったから替えて、また来るときに替え直す」を繰り返すのはもったいない。次のタイ行きが決まっているなら、そのまま取っておくのがいちばん損が少ない選択です。
硬貨は両替できない
これは日本でもタイでも同じで、両替の対象は紙幣だけです。10バーツ硬貨がいくらたまっていても、両替所では引き取ってもらえません。日本の外貨買取サービスも、たとえばトラベレックスの郵送買取は「外国紙幣またはトラベラーズチェック」が対象と明記されています。
なので硬貨は、タイにいるうちに使い切ってしまうのが正解です。空港のセブンイレブンやカフェは小銭が使えますし、寺院の賽銭箱や募金箱に入れてしまうのもひとつ。出国前の待ち時間に財布の底をさらっておくと、あとで「これどうしよう」と悩まずに済みます。
紙幣も、20バーツや50バーツの細かいものは店によって扱いが渋くなることがあります。空港へ向かう前に、100バーツ以下は使い切るつもりでいるといいです。
現金の持ち出しには上限がある
ここは意外と知られていないので、まとまった額を動かす人はぜひ押さえておいてください。
タイ国政府観光庁の案内によると、タイからバーツの現金を持ち出せるのは5万バーツまでです(陸路でベトナムや中国・雲南省など隣接国へ出る場合は最高200万バーツ、ただし45万バーツ以上は税関申告が必要)。逆にタイへ入るときも、バーツまたはバーツと外貨の合計が45万バーツ相当を超えると税関申告が要ります。申告漏れが見つかれば、罰金・課税・没収の可能性があると明記されています。
日本側にもルールがあります。税関の案内では、100万円相当額を超える現金等を持ち出す・持ち込む場合は「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」の提出が必要です。用紙は空港の税関検査場に置いてあります。届け出れば何も困ることはありませんが、黙って通せば違反です。
つまり「バーツの現金をスーツケースに詰めて帰る」という発想は、金額が大きくなった時点で成立しません。本帰国のような場面では、最初から送金で考えるのが筋です。
日本に持ち帰ってしまったバーツはどうする
すでに手元にある分は、次の3つが現実的な選択肢です。
外貨両替専門店に持ち込む・郵送する。 トラベレックスやワールドカレンシーショップなどはタイバーツを取り扱っています。店舗の窓口のほか、トラベレックスには紙幣を送って日本円に替えてもらう郵送買取のサービスもあります。近くに店舗がない人でも使えるのが利点です。
ポケットチェンジで電子マネーに変える。 空港や商業施設に置いてある端末で、外貨の紙幣・硬貨を電子マネーやギフトコードに交換できるサービスです。対応通貨10種のなかにタイバーツも入っています(通貨によっては紙幣のみの対応)。交換先は交通系ICカード、楽天Edy、Amazonギフト券など。ただし現金には戻りません。使い道が思いつくなら、レートを気にして両替所を探すより手っ取り早い方法です。
次のタイ行きまで取っておく。 冒頭に書いたとおり、往復で両替すればその都度スプレッドを払うことになります。また行く予定があるなら、これがいちばん賢いです。バーツの紙幣に有効期限はありません。
手元の札が古くて使えるか不安な方は、こちらもどうぞ。ラーマ9世の紙幣も有効です。
→ タイの旧紙幣はまだ使える?両替方法と高く売れる旧札の見分け方【ラーマ9世のお札】
まとまった額は「両替」ではなく「送金」
本帰国や帰任でタイの口座を畳むとき、話は両替から送金に変わります。
タイの口座に残っているバーツを日本の口座へ移すなら、Wiseのような送金サービスを使うのが基本です。手数料の比較や、2026年に順次かかるタイ住所アカウントの制限については日本⇔タイの海外送金はWiseが基本【2026年版】に詳しく書きました。
そもそも口座を閉じるべきか残すべきかで迷っているなら、タイの銀行口座を維持したまま本帰国する方法を先に読んでください。口座を残したまま帰国できれば、慌てて全額を動かす必要はなくなります。帰国前後にやることの全体像は本帰国前にやることリスト【お金編】にまとめています。
税金の心配もよく聞かれますが、タイから日本へ自分のお金を移すこと自体に、タイ側で所得税がかかるわけではありません。2024年から始まった課税ルールは、逆に「海外の所得をタイに持ち込んだとき」の話です。こちらは海外からタイに送金すると税金がかかる?【2026年版】で整理しました。日本側では100万円を超える送金が税務署に報告される仕組みがありますが、正当なお金であれば報告されて困ることは何もありません。
ケース別のまとめ
旅行で数千バーツ余った人。 硬貨は空港で使い切る。紙幣は、また来るなら取っておく。来ないなら出国前に両替所で円に戻す。
日本に持ち帰ってしまった人。 外貨両替専門店の窓口か郵送買取へ。使い道があるならポケットチェンジで電子マネーにするのも手。
本帰国・帰任でまとまった額がある人。 現金の持ち出しは5万バーツまで。残りは口座から送金で。口座を残す選択肢も含めて、帰国の段取りごと組み立てる。
タイの銀行口座そのものの話はタイの銀行口座の作り方と使い方【2026年版】にまとめてあります。
※この記事は2026年7月時点の情報をもとにしています。レート・手数料・持ち出し規制は変わることがあるので、大きな額を動かす前には最新の案内をご確認ください。


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