タイ政府がQRコードの標準規格を制定して、2017年末までにQRコードを使った電子決済を導入するそうです。
消費者側は普段利用する銀行やクレジットカードのスマホアプリをダウンロードすればQRコードで決済ができる。「標準QRコード」と呼ばれる統一した規格を使うため、飲食店などのサービス提供側は1つのQRコードを表示するだけで各種金融機関の消費者に対応することができる。
中国では屋台で野菜を買うのにも使われていると聞くQRコードですが、タイでも同じように普及するでしょうか?
今、タイでは銀行の支店が続々と閉鎖されています。
下の記事によると、2017年1~7月には、タイ全国の銀行で127の支店が閉鎖されました。タイ人のネット決済が増えており、リアル店舗の需要が落ちているのが閉鎖の理由だそうです。
いまタイの経済は、リアルからネットへ、現金から電子決済への移行期です。ここでQRコード決済を導入するのは良いタイミングであり、広く普及すると予想します。
QRコード決済の使い方は?
- 店は、自分の受取口座のQRコードを掲示しておく
- 客は、スマートフォンで銀行/クレジットカード会社のアプリを立ち上げ、お店のQRコードを撮影、金額を入力して送金する
- 送金されると、お店のスマートフォンアプリに入金の通知が届く
- 商品を渡す
という手順です。
QRコード決済の手数料は?
現時点では想像になりますが、客が利用する決済手段によると思われます。
客が Prompt Pay(2016年に導入されたタイ国内送金システム)で支払った場合は、
送金手数料は客の負担で、
送金額 | 手数料 |
0-5,000バーツ | 0バーツ |
5,001~30,000バーツ | 2バーツ |
30,000~100,000バーツ | 5バーツ |
100,001バーツ以上 | 10バーツ |
となります。
クレジットカードで支払った場合は、送金手数料は店の負担(3%程度)になるでしょう。
現在、タイでクレジットカードを使おうとすると、3%程度のカード手数料を要求する店が多いですが、QRコードが導入された後はなくなるでしょうか?
今後の予定は?
すでにSCB銀行とカシコン銀行のスマートフォンアプリでは、QRコードの決済機能が利用できるようになっています。
これから他の銀行やクレジットカード会社が追随すれば、2017年末よりも早くに普及するかもしれません。
これはSCB銀行が行ったQRコード決済の試験利用の様子です。
タイのモタサイ(バイクタクシー)に乗る→SCB銀行のアプリを起動→QRコードを読み取って支払いが可能に。まずはパホンヨーティン・ソイ34のモタサイが参加 https://t.co/f7AnuTy94F #scbeasyscan
— nisizawa (@nisizawa) August 26, 2017
เดี๋ยวนี้พอเจอรถติด รีบนั่งพี่วินเลยจ้า จ่ายพี่วินก็ง๊ายง่าย ไม่ต้องหาแบงค์ย่อยให้ยุ่งยาก แค่จ่ายด้วยสแกน qr code ลองกันยัง #scbeasyscan pic.twitter.com/yT3Jd9NATV
— JS100 (@js100radio) August 25, 2017
こうなってみると、2016年にタイ政府が Prompt Pay を導入したのは正解だったのかもしれませんね。
ただ、タイ政府は今でもタイ国民と在住外国人のID番号、電話番号、銀行口座を把握しています。それに加えて Prompt Pay の取引内容も把握することで、国民への監視を強めている、、、と想像するのは考え過ぎでしょうか?