タイ政府が、SSF(スーパー・セービング・ファンド)の購入による2020年限りの特別減税を発表し、新型コロナウイルス COVID-19 の影響で下落が続くタイ株式市場をテコ入れしようとしているのは、先日の記事でお知らせした通りです。
この期間限定の SSF は、SSF Extra(タイ語では SSFピセート)、略称 SSFX と呼ばれています。
4月に入り、タイの銀行各行は SSFX の詳細を発表しました。現在のところ、15の銀行が20種類の SSFX を発表したようですが、この記事では、主要4行=バンコク銀行、カシコン銀行、SCB銀行、アユタヤ銀行の SSFX、計6種類を紹介しています。
目次
まずは SSFX の条件を復習
SSFX の条件を復習しておきましょう。
- 最大20万バーツまで、購入額を控除できる
- タイ株式を65%以上含む投資信託であること(通常のSSFはこの制限なし)
- 足掛け10年保有すること。売却できるのは2029年1月1日以降
- 4月1日~6月30日のあいだに購入すること
仮に限度額の20万バーツを購入したとすると、税率25%の人なら5万バーツ、税率20%の人なら4万バーツが還付されます。
税控除があるSSFのファンド、各運用会社がいろんな種類の商品用意してる。SCBは20種類も予定してるようで中身見るの楽しみ。
SSFは保有期間が10年と長いので運用手数料が低いものを選ぶのが重要。年率2%だと10年後には22%が手数料で取られるという地獄。https://t.co/YwRebCwOqD pic.twitter.com/zeukqGYLs2
— レントン (@rentboy_bkk) March 31, 2020
ベスト SSFX はこれだ…!!
いきなりですが、発売されている SSFX のうち、ベストはアユタヤ銀行の KFS100SSFX だと思います。
アユタヤ銀行
ファンド名:KFS100SSFX
公式サイト:https://www.krungsriasset.com/EN/FundDetail.html?fund=KFS100SSFX
投資先:SET100 インデックス連動型
運用手数料:年0.72%
プロモーション:5万バーツ購入ごとにKFCASH(投資信託)100バーツ分をプレゼント
アユタヤ銀行が扱っている投資信託はこれ1つだけです。他行と比べて圧倒的に低い 0.72%の運用手数料。SSFX は10年保有しますので、トータルで 年0.72% x 10年 = 7.2% の手数料を取られると考えてよいでしょう。他行の SSFX は年1~2%を取っていますので、10年だと大きな差になります。
アユタヤ銀行は LTF/RMF の手数料も圧倒的に安いんですよね。他行も見習ってほしいです。
SSFX の購入方法ですが、アユタヤ銀行に普通預金口座を開設してあり、過去に何らかの投資信託を購入したことがあれば、スマホアプリやネットバンキングから可能です。これ以外の場合は、支店へ行かなければなりません。
ネットから購入する場合は、アユタヤ銀行が発行するクレジットカードでの支払いも可能です。ポイントは付きませんが、支払いを遅らせることができます。
バンコク銀行
ファンド名:BEQSSF
公式サイト:https://www.bangkokbank.com/th-TH/Personal/Save-And-Invest/Mutual-Funds/Super-Savings-Funds/BEQSSF
投資先:タイ株式 80%以上+REITsなど 20%以下
運用手数料:年1.68%
手数料は高め。他行がやっているキャッシュバックもなく、英語のページも作っていません。
カシコン銀行
ファンド名:K-SUPSTAR-SSFX
公式サイト:https://www.kasikornasset.com/EN/mutual-fund/fund-template/Pages/K-SUPSTAR-SSFX.aspx
投資先:タイ株式 65%以上+REITsなど 35%以下
運用手数料:年1.97%
プロモーション:5万バーツ購入ごとに100バーツ(最大400バーツ)のキャッシュバック
手数料が高すぎますね。これは避けたほうがいいでしょう。
SCB銀行
SCB銀行は3種類の SSFX を発表しています。
プロモーションを実施中で、SSFX を5万バーツ購入ごとに金投資信託100バーツ分をプレゼント。
1. ファンド名:SCB70-SSFX
公式サイト:https://www.scbam.com/medias/campaign/landing-page/SCB70SSFX.html
投資先:REITs 65-70%+債券・預金 約30%
運用手数料:年1.68%
2. ファンド名:SCBEQ-SSFX
公式サイト:https://www.scbam.com/medias/campaign/landing-page/SCBEQSSFX.html
投資先:タイ株式 80%以上+債券・預金 約30%
運用手数料:年2.23%
3. ファンド名:SCBSET-SSFX
公式サイト:https://www.scbam.com/medias/campaign/landing-page/SCBSETSSFX.html
投資先:SET 80%以上+REITsなど 35%以下
運用手数料:年0.84%
SCBSET-SSFX は運用手数料も低く、悪くないですが、アユタヤ銀行の SSFX の方が良いと思います。
コメント
20万バーツを購入したら、節税以外に、10年保有していれば、どのくらいのリターンが期待できるのでしょうか(アユタヤ銀行のKFS100SSFXの場合)。
インデックスファンドの期待値は一般的には年5%と言われています。
10年なら10倍の50%と考えて良いと思います。
もちろんこれは長期間保有した場合の平均値ですので、これ以上にもこれ以下にもなる可能性があります。
ただし現在のように株価が下がった状況であれば、利益を得られる可能性は高いと考えています。
最終的にはご自身でご判断ください。
参考:https://media.rakuten-sec.net/articles/-/25339
SSFXは購入しましたが、SSFの情報が少ないですね
SSFXが終了する6月末までは購入出来ないのですか?
それとも、まだ商品が正式に発表されてないのですか?
不謹慎ですが、コロナ禍で株価がこんなに下がってる時期に早めに購入したいものです
タツさん
SSFの販売は始まっています。もう購入できますよ。
アユタヤ銀行のSSF6種類の一覧はこちらです。
https://www.krungsriasset.com/EN/FundGroupDetail.aspx?gid=2767
6酒類ありますが、買うなら下の2つでしょうか。
・Krungsri Enhanced SET50-SSF (KFENS50SSF)
SET50連動型インデックスファンド。手数料年0.896%。
・Krungsri Cash Management-SSF (KFCASHSSF)
タイ国債で運用する低リスク型ファンド。手数料年0.418%。
ご自身の資産のうち、タイ株式の割合が高すぎると思ったら KFCASHSSF を、問題がなければ KFENS50SSF を購入すれば良いと思います。
株価の二番底が心配ではありますが、タイの経済は再開に向けて動き始めていますし、いまは株価も低いので、仰る通りいまは買いどきですね。
運用手数料がいつ差し引かれているのかわかりません。
現在SSFを購入して表示額は+1.5%のような場合、すでに差し引かれた後の数値なのでしょうか?
またSSFの年間変動が±0の場合、運用手数料で‐0.8%などとなるのでしょうか?
運用手数料は毎日引かれています。
「現在SSFを購入して表示額は+1.5%のような場合、すでに差し引かれた後の数値なのでしょうか?」→その通りです。手数料を引かれた後の現在の含み益が 1.5%ということです。
「またSSFの年間変動が±0の場合、運用手数料で‐0.8%などとなるのでしょうか?」→運用益がゼロだった場合ということですね。その通りです。手数料分だけマイナスになります。ですので投資信託を選ぶときは、なるべく手数料の低いものを選ぶのが重要ですね。