清武英利著『プライベートバンカー』を読んだら、タイのブロガーが殺されそうになる話が出てきたので紹介したい

『プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市』という本を読んだ。

Amazonで清武 英利のプライベートバンカー 完結版 節税攻防都市 (講談社+アルファ文庫 G 258-3)。アマゾンならポイント還元本が多数。清武 英利作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またプライベートバンカー 完結版 節税攻防都市 (講談社+アルファ文庫 G 258-3)もアマゾン配送商品なら通常配送...

この本は、金融都市シンガポールを舞台に、「プライベートバンカー」として富裕層の資産運用を行う杉山智一氏を主人公にしたノンフィクションだ。主人公の杉山氏は実在の人物で、『プライベートバンカー 驚異の資産運用砲』という本を書いている。

Amazonで杉山 智一のプライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書 2467)。アマゾンならポイント還元本が多数。杉山 智一作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またプライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書 2467)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。

この本を読んだのは、個人的に国際金融に興味があったからで、タイとは全く関係のない本…のつもりだったのだが、本を読み進めていったところ、意外なところでタイの話が出てきた。

なんと、タイのブロガーが、主人公の先輩バンカーに殺されそうになるのである。これはタイのブロガーとして他人事とは思えない(笑)この本では、殺されそうになったタイのブロガー中田氏は次のように紹介されている。

バンコク・スワンナプーム空港は、シンガポールから飛行機で二時間半のタイ王国の国際空港である。その近くに住む中田七海は、BOSの顧客の中でも変わり者とみられていた。元病院長だが、とにかく開けっ広げなのである。富裕層の人々は概して自らを語ることがないが、彼の場合はブログをチェックしていればたいていのことがわかる。

中田氏は元病院長で、当時66歳。2004年に日本の病院を売り払い、タイに移住。そしてタイ人女性と結婚し娘をもうけたが、その後離婚。それからは4歳の娘と二人暮らしをしていた。

2013年12月、その中田氏に1本の電話がかかってくる。

電話を掛けてきた相手は「こちらは、在シンガポール日本大使館ですが」と名乗って唐突に言った。「あなたの身に危険はないですか。危害は加えられていません」
どきりとした。

中田氏は、日本の病院を売った約10億円をFXで倍に増やし、バンク・オブ・シンガポールに約20億円を預けていた。バンク・オブ・シンガポールは、名前を聞くと国立銀行のようにも思えるが、富裕層を相手にするプライベートバンクであり、この本の主人公が働いている銀行である。

実は、バンク・オブ・シンガポールで中田氏の窓口を担当していた梅田という男が、中田氏の資産から約1億円を横領し、中田氏とその娘の殺害を計画していた

梅田はカンボジア在住の日本人に2人の殺害を2億円で依頼したが、依頼された日本人はその冷酷さに驚き、依頼を受けたふりをしてシンガポール警察に告発。その後在シンガポール日本大使館を通じて、中田氏に警告の電話がかかってきたのだった。

幸い、中田氏と娘は殺されることはなく、犯人の梅田は逮捕された。その後2015年9月に、禁錮3年の判決を受けている。梅田はシンガポールの刑務所に収監されたが、模範囚としてすでに出所し、現在も金融関係の仕事に就いているそうだ。

一方の中田氏は、その後バンコクで脳出血のために倒れ、2018年6月に亡くなったそうである。彼が遺産を残そうとした娘の居所は不明だ。

ちなみに、殺されそうになった顛末を書いた中田氏のブログ記事はこちら。

私は、ジョホールの静かな(モスリム国家ゆえに楽しみらしい楽しみが無いという意味もある)環境に引っ越して、日ごろ時間を弄ぶ環境下のおかげで、上記の治験を得ることが出来たのは良い事だった!しかし、それと同時に、私は生まれて、はじめての恐ろしい陰謀事件にも遭遇

この話で思い出すのは、タイで2008年に起こった「外こもりのススメ」という本の著者が殺害される事件だ。

中田氏が殺されそうになった話の詳しい顛末は、この本に書いてある。

Amazonで清武 英利のプライベートバンカー 完結版 節税攻防都市 (講談社+アルファ文庫 G 258-3)。アマゾンならポイント還元本が多数。清武 英利作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またプライベートバンカー 完結版 節税攻防都市 (講談社+アルファ文庫 G 258-3)もアマゾン配送商品なら通常配送...

同じタイブロガーとしては恐ろしい話だ。せめてもの自衛策として、「僕はお金を持ってません!」とここに明言し、狙われるリスクを下げたいと思う(笑)