【2019年版】タイのベストLTFはこれだ!

タイではLTF(長期投資信託)を買えば、所得税を節税できます。タイで働いている方で、LTFを買っている方は多いでしょう。(LTFの詳細はこちらの記事で解説してます)

ですが、

「いま保有しているLTFは、ベストの選択ですか?」

と聞かれたら、ほとんどの方は「よくわからない」「取引銀行のLTFをなんとなく買っている」と答えるのではないでしょうか。実は僕もそうでして、いままではよく比較もせずに、バンコク銀行の B-LTF を買っていました。

しかし、「本当はどのLTFが良いんだろう?」と疑問に思い、銀行・証券会社が販売している全80本のLTFを調査・比較してみました。

いきなり結論:2019年のベストLTFは?

アユタヤ銀行の KFLTF50 です。

理由はいくつかあり、後半で説明しますが、一番大きな理由は、タイで販売されているLTFの中で、信託報酬(=手数料)が最も安いということです。他行、例えばバンコック銀行のB-LTFと比べると、信託報酬が年1%以上安くなっています。

「年1%なんて大したことない」と思いますか?

LTFは足掛け7年(丸5年以上)の保有が義務付けられていますので、通算で 10万バーツ x 年1% x 5年 = 5,000バーツの差。十分に大きな差ですので、僕は今年からアユタヤ銀行に乗り換えます。

なお、筆者はアユタヤ銀行から広告費はいただいておりませんし、仕事の関係もありません。

もっと良い商品があれば、そちらをおすすめする記事を書きますので、各銀行のナカの方、または一般の方を問わず、こちらが良いよ!という商品がありましたら教えていただければ幸いです。

目次

タイのLTFの選ぶときの2つのポイント

タイのLTFを選ぶときは、以下の2つポイントがあります。

  1. 手数料が安いこと
  2. 分配金(配当)がないこと

順に説明します。

ポイント1:手数料が安いこと

LTFは投資信託であり、購入すると、信託報酬・買付手数料・売却手数料といった手数料を引かれます。この手数料は、資産から毎日少しずつ引かれるので、一見すると大したことがないように思えるのですが、積もり積もって大きな額になります。

例えば、こちらの日経新聞の記事「1%が後悔のもと 投信コスト、長期ほど収益に差 」では、『購入する際に販売手数料、保有期間中は信託報酬など様々な費用が発生し、運用が長期にわたるほど収益に影響する。コストをよく知って、納得のいく投信選びをしたい』と、投信の手数料をよく調べるようにアドバイスしています。

LTFや投資信託を選ぶときは、手数料が安いものを選びましょう。

ポイント2:分配金(配当)がないこと

分配金なしの方が得、と言うと、あったほうが得じゃね?と誤解されることが多いのですが、実はどちらでも同じです。

分配金なしの場合は、その分が投資信託の元本に組み込まれますが、分配金ありの場合は、その分を投資家に払い戻します。最終的にもらえる金額はどちらも同じです。

ただし、タイの税制では、LTFの元本を売却した儲け(=キャピタルゲインという)には課税されませんが、分配金には10%が課税されます。

こんなイメージです。

  • 分配金なし:元本100万バーツ+配当10万バーツ→110万バーツがもらえる
  • 分配金あり:元本100万バーツ+配当10万バーツ→元本100万バーツ+分配金9万バーツ(分配金10万 – 税金1万)=109万バーツがもらえる

このため、タイでは分配金なしの方が得です。タイで投資信託を買うときは、分配金なしを選びましょう。

ただし、「分配金がある方が得」と誤解している人が多いため、タイ・日本を問わず、銀行に行って投資信託を買おうとすると、分配金あり&高手数料の商品をおすすめされることがよくあります。だまされて買わないようにしましょう。

日本でも、この誤解を利用した、毎月分配型の投資信託の販売が問題になっています。
参考:「問題だらけの毎月分配 百歩譲って利点は」

各行のLTFを比較

タイの大手銀行が販売しているLTFで、分配金がないものを比較してみました。

情報源はWealth Magic (タイ語のみ)というタイの投資情報サイトです。

(LTF比較表 投資信託名をクリックすると、詳細のページが開きます)

銀行 投資信託名 信託報酬 買付手数料 売却手数料
アユタヤ銀行 KFLTF50 0.77% 0.00% 0.00%
カシコン銀行 KS50LTF 0.90% 0.00% 0.00%
クルンタイ銀行 KSET50LTF 1.23% 0.00% 0.00%
バンコック銀行 B-LTF 1.79% 0.00% 50THB
SCB銀行 SCBLT2 2.05% 0.00% 0.00%

分配金がないLTFで、最も手数料が低いのは、アユタヤ銀行の KFLTF50 です。

過去の実績も比較してみます。

(LTFの過去の実績比較)

左から、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、3年、5年の年利回りの実績です。

投資信託では、過去の成績が良かったからといって、将来も成績が良いとは限りません。ただし、これまでの実績を見ると、アユタヤ銀行の KFLTF50 は他よりも少し良い成績を出しています。これは手数料の差によるものであり、将来も同じような差がつくと考えるのが自然でしょう。

結論

以上の理由から、アユタヤ銀行の KFLTF50 を2019年のベストLTFに選びました。今年からは自分もこれを購入するつもりです。

KFLTF50 の口座開設に必要なものは、

  1. パスポート
  2. ワークパーミット
  3. クルンシイ銀行の普通口座

です。これらを持って、黄色が目印のアユタヤ銀行に行きましょう。普通口座がなければその場で作ってくれます。また、インターネット・バンキングを開設しておけば、次回以降はネットでLTFを購入できるので便利です。

タイの節税については、以下の記事もご覧ください。

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