
タイで働いていた経験のある方から、よくいただくご質問です。「タイの年金を受け取ったら、日本の年金が減ったりしませんか?」「そもそも両方もらえるんですか?」と。
結論からお伝えすると、両方もらえます。タイの年金を受け取っても、日本の年金は1円も減りません。
日本とタイの間に社会保障協定はありません
日本は、ドイツやアメリカ、フィリピンなど20以上の国と「社会保障協定」を結んでいます。協定を結んだ国との間では、保険料の二重払いを防いだり、年金の加入期間を両国で通算したりできます。
タイはこの締結国に入っていません(2026年7月時点。厚生労働省の締結国一覧)。将来結ばれる可能性はゼロではありませんが、いまのところ具体的な予定は公表されていません。
つまり、タイの社会保険と日本の年金(国民年金・厚生年金)は、つながりのない完全に別の制度として動いています。
「別の制度」だから、こうなります
| したいこと | できる・できない |
|---|---|
| タイの年金と日本の年金を両方受け取る | できます |
| タイの一時金を受け取ったあとも日本の年金を満額もらう | できます(減りません) |
| タイで払った期間を日本の年金の加入期間に足す | できません |
| 日本の加入期間をタイ側に足す | できません |
日本の年金の額は、日本での加入記録から計算されます。タイの年金や一時金を受け取っているかどうかは、計算に関係しません。逆にタイ側も、日本の年金を受け取っているかどうかを問いません。タイの申請書に、日本の年金について書く欄自体がありません。
唯一の「できません」は期間の通算です。タイで社会保険料を納めた期間を、日本の年金の受給資格期間(10年)に足すことはできません。ただ、これが問題になるのは日本の加入期間が10年に満たない方だけで、日本で長く働いてきた方には実害のない話です。
実際、両方受け取っている方がほとんどです
僕はこれまで40名以上の方のタイの年金申請をお手伝いしてきましたが、みなさん定年退職前後の世代で、日本の年金を受け取りながら、あるいはこれから受け取る前提で、タイの一時金を申請されています。タイの一時金を受け取ったことで日本の年金が減った・止まった・追加の手続きが必要になった、という例は一度もありません。
日本の年金側への届け出も不要です。年金事務所に「タイの一時金を受け取りました」と報告する必要はありません。
ひとつだけ別の話として、受け取った一時金には日本で税金がかかる場合があります。これは年金制度ではなく税金の話なので、別記事「タイの年金、税金はかかる?」をご覧ください。
駐在中の「二重払い」は、こうして戻ってきます
協定がないため、日本の会社に籍を置いたままタイへ赴任していた方は、日本の厚生年金に入ったまま、タイでも給与から社会保険料が天引きされていたはずです。「二重に払っていて損だった」と感じるかもしれませんが、このタイで払った分こそが、55歳から受け取れる一時金の原資です。放置せずに、きちんと回収しましょう。
タイの年金制度そのものを詳しく知りたい方へ
タイの社会保険の老齢給付の仕組み、受給資格、加入期間と金額の関係などは、別記事「【完全解説】タイの老齢年金 日本人も55歳からもらえます」に詳しく書いてあります。あわせてご覧ください。
ご自身のケースが知りたい方へ
タイの年金は、加入していた期間と社会保険番号さえ分かれば、受給見込みの金額を試算できます。受給額診断ツールで30秒で確認できます。
僕はタイ駐在25年で、日本人の方の年金申請を40名以上お手伝いしてきました。社会保険番号がお分かりの方は、全員無事に受給されています。料金は定額35,000円(タイバーツでのお支払いの場合は7,000バーツ)、もし受給資格がないと分かった場合は全額返金しますので、ご安心ください。
ご質問やご相談は、こちらの相談フォームからお気軽にどうぞ。
最終更新:2026年7月

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