
タイで何度か転職を経験された方から、よくいただくご質問です。「複数社にまたがる加入期間は合算されるのか、それとも会社ごとに別計算なのか?」と。
結論からお伝えすると、各社の加入期間はすべて合算されて、トータルで年金が計算されます。ただし、それぞれの社で発行された社会保険番号が、すべて手元にあることが前提です。順番にご説明します。
合算のルール
タイの社会保険の老齢給付は、加入していた月数で支給額が決まります。複数社にまたがっても、各社の加入月数を足し合わせた合計で評価されます。
- 1社目(3年)+ 2社目(4年)= 通算7年として計算
- 1社目(5年)+ 一時帰国(3年)+ 2社目(3年)= 通算8年として計算(ブランク期間は加入月数にカウントされませんが、合算自体は問題なくできます)
通算した加入期間が 180ヶ月(15年)以上 になると、一時金ではなく終身年金(毎月支給)に切り替わります。1社では届かなくても、合算すれば終身年金圏内に入る方もいらっしゃいます。
ここが盲点:番号が会社ごとに分かれてしまう
本来、タイの社会保険番号は 1人につき1つ です。再就職するときに、新しい会社に「自分の番号は○○です」と伝えれば、その番号がそのまま継続使用されます。
ところが、実際の日本人駐在員の方の多くは、入社時に既存の番号を伝えていないケースがほとんどです。すると新しい会社で新規に番号が発行されてしまい、結果として、本人は知らないうちに会社ごとに別の番号が割り振られていく、という形になっています。
私自身は、再就職時に既存の番号を新しい会社に伝えたので、複数社にまたがっても番号は1つのままです。ただ、これまでサポートさせていただいた方々の多くは、そもそも番号を覚えていなかったり、新しい会社に伝えるという発想がなかったりで、結果として会社ごとに別の番号が割り振られているケースがほとんどでした。「タイの制度上、番号がバラバラになる」のではなく「伝えれば1つで済むのに、伝えないと再発行されてしまう」というのが実態です。
申請時に必要な情報
複数社にまたがる加入期間を合算して申請するためには、勤めていた各社について、次の情報がセットで必要です。
- 会社名(英語表記)
- おおよその勤続期間
- その社の社会保険番号(13桁)
期間と番号がペアになっていないと、社会保険事務所での照会で「どの社の記録か」が特定できず、合算できません。
番号が一部しか分からない場合
「最初の会社の番号は分かるけど、2社目の番号は手元にない」というケースもよくあります。この場合、不明な期間の番号は、当時のパスポートと会社名から記録をお調べすることができます。詳しくは別記事「タイの年金、社会保険番号がわからなくても申請できる?」をご覧ください。
社名変更や買収にも注意
もうひとつの盲点として、当時勤めていた会社が、その後社名変更や買収を経験しているケースがあります。社会保険事務所の記録は新しい社名で更新されることがあるため、旧社名で照会して「該当なし」と言われても、後身の会社名で再照会すると見つかる、ということが実際にあります。
「自分が勤めていた会社の後身がどこか」を一度調べてから申請するのが、安全です。
タイの年金制度そのものを詳しく知りたい方へ
タイの社会保険の老齢給付の仕組み、受給資格、加入期間と金額の関係などは、別記事「【完全解説】タイの老齢年金 日本人も55歳からもらえます」に詳しく書いてあります。あわせてご覧ください。
ご自身のケースが知りたい方へ
タイの年金は、加入していた期間と社会保険番号さえ分かれば、受給見込みの金額を試算できます。受給額診断ツールで30秒で確認できます。
僕はタイ駐在25年で、日本人の方の年金申請を40名以上お手伝いしてきました。社会保険番号がお分かりの方は、全員無事に受給されています。料金は定額35,000円(タイバーツでのお支払いの場合は7,000バーツ)、もし受給資格がないと分かった場合は全額返金しますので、ご安心ください。
また、複数社のうち一部の社の社会保険番号が分からない、というケースもよくあります。その場合は、当時のパスポートと会社名が分かる資料があれば、番号と受給見込み金額をお調べする調査メニュー(10,000円、タイバーツでのお支払いの場合は2,000バーツ)も承っています。番号が確認できてから、申請に進むかどうかをお決めいただけます。
ご質問やご相談は、こちらの相談フォームからお気軽にどうぞ。
最終更新:2026年6月


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