
タイで働いていた経験のある方から、よくいただくご質問です。「短期間しか働いていなかったので、もう年金はもらえないですよね…」と。
結論からお伝えすると、1ヶ月でも社会保険に加入していれば請求権はあります。「年数が足りないからもらえない」というケースはありません。期間によって変わるのは「もらえる金額」と「受け取り方」だけです。順番にご説明します。
受給資格は「1ヶ月以上の加入」で発生します
タイの社会保険の老齢給付には、加入期間の下限がありません。タイの会社で社会保険に加入していた期間が1ヶ月でもあれば、55歳以降に請求できます。
「半年しか働いていなかった」「1年でやめてしまった」というケースでも、当時の社会保険番号が分かれば請求できます。諦める必要はありません。
期間で変わるのは「金額」と「受け取り方」
加入期間によって変わるのは、次の2つだけです。
| 加入期間 | 受け取り方 | 金額(月給15,000バーツ以上の方の目安) |
|---|---|---|
| 1〜11ヶ月 | 一時金(本人納付分のみ) | 数千〜数万円 |
| 12ヶ月〜180ヶ月未満 | 一時金(本人+会社+運用益) | 約5〜90万円(年数による) |
| 180ヶ月(15年)以上 | 毎月の終身年金 | 月給×20%〜35%×死亡まで毎月 |
ポイントは、加入期間が長いほど受け取る額が増えるシンプルな仕組みになっていることです。
12ヶ月の境界:会社負担分が付くかどうか
加入期間がちょうど12ヶ月(1年)を境に、計算式が変わります。
- 加入12ヶ月未満:本人が払った社会保険料のぶんだけが返ってきます
- 加入12ヶ月以上:本人の納付分に加え、会社が払った分と、運用益も上乗せされます
会社負担分が乗ると、ざっくり同じ期間分の本人納付額の 2倍以上 に膨らみます。さらに数年積み重なれば運用益も無視できない大きさになっていきます。
180ヶ月(15年)の境界:一時金から終身年金へ
加入期間が 180ヶ月(15年)以上 になると、一時金ではなく毎月の終身年金に切り替わります。亡くなるまで毎月支給されるので、長く受け取れば一時金より大きな額になります。
加入15年・月給15,000バーツ以上の方であれば、月3,000バーツ(=月給の20%)が毎月支給される計算です。25年加入なら月給の35%まで増えます。
詳しい金額の目安は「タイの年金、日本人はいくらもらえる?」に勤続年数別の早見表をまとめてあります。
複数の会社を経験された方は合算できます
タイで何度か転職を経験された方は、各社の加入期間を合算した「通算月数」で評価されます。1社では15年に届かなくても、合算すれば終身年金圏内に入る方もいらっしゃいます。
詳しくは「タイで複数社で働いた場合、年金はどうなる?」をご覧ください。
期間が短くても申請の手続きは同じです
ここがよくある誤解ですが、期間が短いから手続きが簡単になるわけではありません。1ヶ月でも15年でも、申請に必要な書類はほぼ同じです。
- 申請時に55歳以上であること
- タイの社会保険から脱退済みであること
- 当時の社会保険番号が分かること
逆に言えば、「金額が少ないから申請しても損する」ということもありません。手間は同じで、額が違うだけです。
あわせて読みたい
- タイの年金、日本人はいくらもらえる? ── 勤続年数別の早見表
- タイで複数社で働いた場合、年金はどうなる? ── 複数社の合算ルール
タイの年金制度そのものを詳しく知りたい方へ
タイの社会保険の老齢給付の仕組み、受給資格、加入期間と金額の関係などは、別記事「【完全解説】タイの老齢年金 日本人も55歳からもらえます」に詳しく書いてあります。あわせてご覧ください。
ご自身のケースが知りたい方へ
タイの年金は、加入していた期間と社会保険番号さえ分かれば、受給見込みの金額を試算できます。受給額診断ツールで30秒で確認できます。
僕はタイ駐在25年で、日本人の方の年金申請を40名以上お手伝いしてきました。社会保険番号がお分かりの方は、全員無事に受給されています。料金は定額35,000円(タイバーツでのお支払いの場合は7,000バーツ)、もし受給資格がないと分かった場合は全額返金しますので、ご安心ください。
ご質問やご相談は、こちらの相談フォームからお気軽にどうぞ。
最終更新:2026年6月


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