2014年3月20日に公開されたタイ映画『すれ違いのダイアリーズ』(タイ語原題:キットゥン・ウィタヤー 英題: Teacher’s Diary) が抜群に面白かったのでご紹介。
舞台はチェンマイの湖畔にある小さな小学校。物語は、この学校に赴任してきた男性教師ソーンが、かつてこの学校で教師をしていたエーンの残していった日記を見つけるところから始まります。
小学校は人里離れた場所にあり、ソーンの生徒はたったの4人。生徒は月曜から金曜まで泊まりがけで通学してくる。教師ソーンも学校に泊まりこみで、携帯の電波もなく、電気もなく、やることといったら、、、エーンが残していった日記を読むことくらい。
日記を読み進むうち、ソーンはだんだんとまだ見ぬエーンに想いを寄せていく。果たして彼らは会うことができるのか!?という恋愛コメディです。
この映画を作っている GTH という制作会社は、タイでは面白い映画を作ることで有名です。この映画のニティワット・タラートン監督は、過去に「フェーンチャン 僕の恋人」(ただし共同監督)、「Seasons Change」、「ニーターム・ガリレオ」を監督していますね。
この映画は、これまでの映画作りで得た知識と経験を総動員したのだと思います。とにかくシナリオの練り具合が半端じゃない。練りに練った脚本と、主役、子役、脇役のキャスト陣も素晴らしく、チェンマイの美しい風景、音楽と合わさって、とても良い映画に仕上がっています。英語字幕もありますので、ぜひご覧くださいませ。
また、この映画に詳しいライターさんが書いたブログ Khajochi Blog を見つけました。
このブログには、映画の細かなエピソードがいろいろ紹介されていましたので、引用させて頂きます。
・この話は、ジラ・マリクン監督の経験を基にしている。彼が会社で働いたとき、机の中に前任者の日記を見つけ、その持ち主と結婚した(!)。
・もうひとつ基になったのは、GTH幹部社員がかつて携帯の電波もない学校で勤務した経験。
・題字はよく見ると青色の刺繍になっている。タイの学校は制服にクラス名を刺繍しますね。
・映画にはウィタヤーという名前の人物は登場しない。ウィタヤーは学問という意味。
・映画の舞台になった学校はチェンマイから南に 160km ほど下ったランプーン県内に実在する。
・ただし学校のセットは実在の学校を基に作ったもの。
・ニティワット監督の過去作品(「Seasons Change」、「ニーターム・ガリレオ」)に出演しているチュティマ・ティーパナートが、主演俳優の元カノ役でゲスト出演している。
・ソーンは教育部長と面談するときに、東南アジア競技大会のジャンパーを着ている。
主題歌「ต่างกัน」(違わないよ)も映画とよく合ってます!
hana さんがここで歌詞の日本語に訳していらっしゃいますので、ご参考に。
追記:2015年9月15日、邦題が『すれ違いのダイアリーズ』に決まりましたので、題名を修正しました。