ラオス・ルアンパバーンで迎えた2020年正月 その2 モン正月のお見合い

今回のルアンパバーン訪問では、運が良いことにモン正月を見ることができました。というのも、このモン正月が行われる時期は毎年変わります(旧暦なのかもしれません)。去年は12月中旬ごろに行われたので、僕が12月末にルアンパバーンに来たときはすでに終わっていました。

モン正月は、モン族のお祭りでもあり、モン族の男女の出会いの場でもあります。

まずは、モン族について簡単に解説しましょう。ラオスには公式には50の少数民族がいます。最も人口が多いのは低地で稲作をするラオ族の55%、高地で焼畑農業をするモン族の人口は8%です。

ラオスのモン族は、1970年代のラオス内戦のときに、アメリカCIAに武器を持たされ、山岳ゲリラとして右派側で戦いました。その後、左派が勝利し、1975年にラオス人民共和国が成立します。敗れたモン族は政府による弾圧を恐れ、タイを通じて米国や欧米諸国に亡命しました。

いまも米国には多くのモン系アメリカ人が住んでいます。クリント・イーストウッド主演の『グラン・トリノ』は、米国に住むモン系アメリカ人がテーマです。

この映画のあらすじは、イーストウッドがいじめられっ子のモン族の少年を漢(オトコ)に育て上げる、という胸熱の内容です。面白いので、ぜひ観てみてください。

さて、そういった海外に住むモン族も、結婚相手を探しに、わざわざラオスまでモン正月にくるそうです。着飾った女性の皆さんに、写真を撮らせてもらいました。

↑こちらは5人でお揃いの衣装でした。気合入ってますね。

↑ちょっと若いですが、モン族は14~15歳でも結婚しますし、それ以前から婚約することもあります。

↑君たちはまだ早すぎます。

↑お姉さんたちも参戦していました。

↑横一列に並んで、向かいの列の人と、テニスボールなどでキャッチボールをします。このキャッチボールをしたら結婚しないといけない、ということはなくて、単なる挨拶というか、きっかけのようなものです。気に入った人がいたら多めに投げるとか、そんな感じでしょうか。


↑キャッチボールの動画です。

↑この女性の衣装が一番綺麗でした。ちなみに、写真を撮るときは、「写真撮ってもいいですか?」と聞いてから撮影しています。

↑髪飾りが綺麗ですね。

写真をツイッターに投稿したところ、モン族がスマホを持っていることに驚いた、と言われました。

山岳民族と言っても、街の近くに住んでいる人たちは、バイクに乗り、スマホを持ち、facebook をやっています。モン族は勤勉な人が多く、大学を優秀な成績で卒業する人も多いと聞きます。現代人とあまり変わりません。

↓シェンクワン県のモン正月の様子。この時期は各地でモン正月が開催されています。

↓サイソンブーン県出身のミス・モン・ラオス2020。美しすぎます。

コメント

  1. 浜田 より:

    はじめまして。例の極悪ネコの所から流れてきました。
    ご存知かも知れませんがモン族には2種類いてクレット島にいるビルマ系のMon人とラオス系のMong人です。この記事の方たちは後者だと思います。勇猛果敢で忠誠心が強いのでベトナム戦争で両陣営から争奪戦になったそうです。
    僕がアメリカ出張に行った時に行った時、隣の席が英語もタイ語も一言も喋れないお爺さんとその家族で着いたら苦労するなと思ってLAに降りてからコッチだよと身振りで案内していたら向こうからデカい米兵2人がきて「サージェントなんとかかんとか」言って敬礼しました。それまですっかり腰が曲がっていたお爺さんがいきなり背筋を伸ばし敬礼を返し大行列の一般人レーンに並ぶ僕を尻目に家族全員で軍人専用レーンを米兵2人の護衛付きでスーッと抜けて行きました。
    当時、米国側に着いたMong人は家族も含めて自動的にアメリカ市民権が取れるそうです。

    • nisizawa より:

      浜田さん
      貴重なお話ありがとうございます。
      仰る通り、ここで書いているのはモン族 (Hmong)の方ですね。研究者の方は「H付きのモン」という言い方もするそうです。