LCC(格安航空会社)はなぜ100円セールができるのか?

エアアジア Amazing Thailand 塗装

最近は LCC(格安航空会社)という言葉もだいぶ広がってきました。

日本とタイを結ぶ LCC の便もだいぶ増えましたし、乗ったことがある方も多いと思います。

なぜ LCC は運賃が安くできるのか? というと、

  1. 路線は短距離に絞り込む
  2. 使用する機種を絞り込む(エアアジアなら A320 と A330 のみを使用)
  3. 航空機の稼働時間を多くする
  4. 2地点間の単純往復運行(クルーが現地で宿泊する必要がない)
  5. 機内の座席を多くする
  6. サービスを絞り込んで単純化する

(参照:「格安航空会社」の企業経営テクニック

といった LCC 特有のビジネスモデルによって、さまざまなコストを削減しているからです。

しかし僕にはずっと疑問がありました。それは、「LCC はなぜ100円セールができるのか?」ということです。

あまりに安すぎる100円とか1,000円といった価格。明らかに元が取れないですし、損してしまいますよね。それなのに、どうしてこんな値段で売るんでしょう?

僕なりに考えて、その謎が解けましたので、解説したいと思います。他に理由などありましたら、教えていただければ幸いです。

目次

理由1:実は売れ残りのチケットだった!

実は、セールの100円チケットは、売れ残りのチケットなんです。もっと正確に言うと、「売れ残ることが予測されるチケット」です。

いまはコンピューターの予測システムが発達しているので、何月何日のこの便で、搭乗率が何%になるかは、かなり高い精度で予測できます。

仮に、ある便の席数が180席で、予測される搭乗率が85%だったとしましょう。この場合、残り15%の27席は売れ残ることが予想されます。そこで、この27席を100円で販売してしまうのです。

この27席は、もともと空席になるはずなので、LCC にとっては100円で売っても損はしません。むしろ、カバンや指定席、食べ物などで追加料金を払ってもらい、利益につながる可能性もあります。

これがセールの100円チケットです。よく「何席限定!」となっているのは、こういう理由なのでしょう。

理由2:セール購入客はキャンセルが多い!

LCC のセールでは、6ヶ月~1年先といった、遠い将来の便を販売することが多いです。そうすると、「6ヶ月先の予定は決まっていないけど、100円ならとりあえず買っておこう!」と考えて購入する人が多くなります。

そして、客は運賃と空港使用料を支払います。客が予約した便に乗らなかった場合、LCC は運賃を返金しません。これは LCC の丸儲けです。

一方の空港使用料は、実は請求すれば手数料を引いて返金されます。ですが少額ですし、面倒ですので、実際に請求する人は少ないでしょう。誰からも請求されなかった空港使用料も、LCC のお財布に入ります。これも LCC の収入になるわけです。

また LCC は、こういったセールではキャンセル率が高いことも把握した上で、セール対象便では、かなりのオーバーブッキングをしているはずです。これもまた LCC の儲けになります。

理由3:セールは無料の広告だ!

LCC が定期的にセールを行うのは、無料で行う広告・販促を狙っている、という面があります。セールを実施することで、メディアやウェブサイトで取り上げてもらい、無料で宣伝するのです。大した元手もかかっていないセールで、さらに宣伝効果も狙う。一石二鳥の作戦です。

まとめ

LCC は、セールで大損しているのかと思いきや、そうではなく、逆にカバンや食事の販売、キャンセル、無料の宣伝によって儲けてしまえ!というしたたかな戦略を取っているのです。面白いですね。

この他にも、LCC のビジネスモデルには、いろいろと興味深いものがあります。調べてみると、自分の仕事にも取り入れられる点があると感じました。

例えば、仕組みをできるだけ簡単にして、業務コストを減らすということ。簡単な例で言えば、事務所のコピー機やプリンタのメーカーを統一するだけでも、社員が操作を覚えるコスト、調達やメンテナンスのコストが削減できますよね。御社の事務所、メーカーがバラバラになっていませんか?

こういった LCC の仕組みに興味がある方は、ぜひ下記の本を読んでみて下さい。

コメント

  1. みみすけ より:

    はじめまして!突然すみません。ランシットにお詳しいとのことでもしご存じであれば教えていただきたいことがあります。ランシットにLipe Islandというホテルはありますか?そのホテルの1室でオリジナルのかごバッグを作っている作家さんがいるらしいのですが、検索してもリぺ島のホテル情報ばかりでして・・・
    今わかっているのは「Rangsit」「lipe island hotel」「Not far DMK Airport」のみです。
    現地の方と互いに片言英語で話し、その時メモに書いてもらった情報のみでして・・・。もしおわかりになりましたらよろしくお願いいたしますm(__)m

    • nisizawa より:

      みみすけさん
      タイ語、英語で「lipe island hotel」をかなり調べてみましたが、そういった名前の建物はみつかりませんでした。
      「Rangsit」「Not far DMK Airport」からはランシットだと思いますが。
      お役に立てず申し訳ありません。

  2. みみすけ より:

    nisizawaさま
    お返事ありがとうございました。
    突然の質問にも丁寧にお答えいただき感謝の気持ちでいっぱいです。
    ランシットにはこういったホテル無さそうですね・・・
    素敵なかごバッグを持っているタイのご婦人に「Bag nice!」とお伝えしたところ
    とても喜ばれて、購入したところを教えてくれのですが
    互いにあやふや英語で話していたためうまく意思疎通ができず・・・(^^;)
    タイによく行く友人は「このかごバッグたぶんthaichawaのだよ」と言っていたので探したところ、そのお店もランシットではなさそうで・・・
    やはり情報が少なすぎましたね><
    お手数をお掛けして申し訳ありませんでした。

    またブログ覗かせていただきます!
    ご親切にありがとうございました^^