【永久保存版】タイでパスポートを更新するときに知っておくべきこと

日本のパスポートの有効期限は5年または10年。タイに長期滞在している日本人には、パスポートの有効期限が近づき、タイでパスポートを更新する人も多いと思う。

この記事では、タイに長期滞在する日本人が、タイの日本大使館でパスポートを更新するときに、注意すべき点、やるべきことについて詳しく解説したい。

目次

パスポートは期限切れの6ヶ月前までに更新を!

シンガポール、ベトナム、ラオスといったタイの周辺国では、ビザなし入国の条件を「パスポートの残存期間が入国時に6ヵ月以上」としている。国によっては「出国時に6ヵ月以上」だったりもする。

これらの国に行く可能性があるならば、期限切れの6ヶ月前までに更新しよう。残存期間が1年未満になれば、更新手続きが可能になる。

各国で必要なパスポートの残存期間については、次のページが参考になる。

参考 日本橋夢屋 ビザ要否一覧(日本国籍)

パスポートが有効期限内なら戸籍謄本は不要!

パスポートが有効期限内で、残存期間が1年未満、氏名や本籍など記載事項に変更がないならば、現在のパスポートを提出して、パスポートの切替発給を申請できる。このとき、戸籍謄本の提出は不要だ。

  • パスポートが有効期限内:戸籍謄本は不要
  • パスポートが期限切れ :戸籍謄本が必要

日本から戸籍謄本を取り寄せるのはお金も時間もかかる。パスポートは有効期限内に更新しよう

パスポート更新に必要な書類

通常の更新に必要な書類は以下の3つだ。

  1. 一般旅券発給申請書 1部大使館のページから作成・ダウンロード可
  2. 写真 2枚:エンポリアム2Fの「eastbourne」という写真屋でも撮影可
  3. パスポート原本

意外と簡単である。詳細については在タイ日本国大使館のページ でも確認してほしい。

更新に必要な日数は、土日祝日を除く3日後。月曜に申請すると木曜日の受け取り、金曜日に申請すると水曜日の受け取りになる。在タイ日本国大使館は、タイと日本の祝日に休館日になるので注意(大使館案内のページ )。

パスポート更新と同時に増補も申請しよう

タイ在住の日本人には、仕事や旅行でさまざまな国を訪れる人も多いだろう。そんな人のために、パスポートのページを増やす「増補」がある。

実はこの増補、パスポートの更新と同時に申し込むことができる。後でまた大使館に来て増補を申請するよりも、最初に申請してしまえば手間が省ける。海外への渡航が多い人は、更新と同時に増補も申請すると良いだろう。僕はパスポートを更新した後でこの方法を知った(笑)。次回は更新と同時に申請しようと思っている。

ただし、日本政府は2020年3月からパスポートのデザイン変更を予定しており、新しいデザインのパスポートでは、増補はできなくなるようだ。

署名を変えるな!

パスポートの署名を変更すると、以前の署名で登録した銀行口座、会社のサイン権も変更する必要がある。しかしこの手続きは大変なので、絶対にパスポートの署名を変更してはいけない

タイ日本大使館では、諸手続に問題が発生し、元の署名で作り直すことはできないかとの相談を受けることが少なからずあるそうだ。しかし、このような自己都合による旅券の切替は認められていない。こういった問題を避けるために、必ず以前と同じ署名を使おう。

パスポート更新費用は会社負担? 自己負担?

この記事を書いている2018年11月現在、在タイ日本国大使館の10年パスポート更新費用は 4,910バーツだ。結構な額である。

会社が更新費用を負担してくれるなら、遠慮なくお願いするといいだろう。会社によっては、パスポートの更新費用は自己負担、と決められているかもしれない。その場合でも、更新費用を会社で負担してもらえないか、交渉してみてはどうだろうか。パスポートは、Bビザや労働許可証と同じく、いやそれ以上に、タイで働くために必要な書類だ。会社で負担してくれる可能性もあると思う。

パスポート手数料を節約する!(子供のみ)

大人がパスポートの手数料を節約するのは難しい。現在の手数料は、10年パスポートが4,910バーツ、5年パスポートが3,370バーツ。できることはせいぜい、10年パスポートを長く使うくらいだ。

子供のパスポート費用は、12歳未満は5年パスポートが1,840バーツ、12歳以上~20歳未満は5年パスポートが3,370バーツとなっている。12歳になる寸前に申請すれば、ちょっとだけお得だ。7歳半で5年パスポートを入手すれば、12歳寸前に残り6ヶ月になる。可能であれば、うまくタイミングを合わせてみよう。

また、子供がいるなら、パスポートの更新時期を親と合わせれば、大使館に何度も行かないで済む。時期を合わせるのはなかなか難しそうだが、これも検討してみよう。

パスポート更新後のビザ転記

タイの長期ビザを持っている場合は、旧パスポートから新パスポートに長期ビザを転記しなければならない。転記に必要なレターは、大使館が更新時に発行してくれるはずだ。新・旧パスポートとそのレターを持って、入国管理局またはBOIのワンストップ・サービスセンターに行けば、無料でビザを転記してくれる。

パスポート番号変更の手続き

国によっては、パスポートを更新しても、パスポート番号が変わらないこともあるようだが、日本のパスポート番号は更新する度に変わる。パスポート番号が変わったら、銀行などに番号の変更を届出なければならない。個別に解説しよう。

ちなみに海外でパスポートを取得すると、パスポート番号に「Z」が含まれた、「TZ」「MZ」などの番号になる。

銀行:必須

新・旧パスポートと預金通帳を持って、口座を開設した支店に行く必要がある。口座開設した以外の支店ではダメだ。わざわざ行くのが非常に面倒だが、かといって届け出ないと、窓口での現金引出、通帳の繰越といった手続きに支障が出るので、この届出は必須である。銀行で買った投資信託は、銀行によって手続きの要/不要が異なるので、とりあえず通帳を持っていってみること。

通信会社(AIS/true/Dtac):必須

新・旧パスポートと携帯電話を持って通信会社の窓口に行こう。パスポートは、SIMをなくしたときの本人確認に使われる。変更の手続きをしておけば、もし携帯電話を紛失しても、SIMの再発行ができる。

クレジットカード:そのうちやる

新・旧パスポートとカードを持ってカード会社の窓口に行こう。会社によっては不要で、例えばアユタヤ銀行は必要なかった。手続きをしなくても大丈夫かもしれない。

運転免許証:そのうちやる

新・旧パスポートと免許証を持って陸運局に行けば手続きができると思うが、やらないでも特に支障はないと思う。陸運局は平日しかやってないので、勤め人には時間を作って行くのも大変だ。

旅行系サービス:必須

航空会社のマイレージ、予約サイトといった旅行系のサービスを利用しているなら、パスポート番号を更新しておこう。僕が変更したのは、JAL, ANA, British Airways, Traveloka, AirAsia といったところだ。意外なことに Agoda にはパスポート番号を入力する欄がない。

航空券

もし旧パスポートの番号で国際線のチケットを発券済みならば、航空会社に連絡しておくべきだろう。

BOIレター

BOIでビザをもらっている人は、スワンナプーム空港で出入国するときに、優先搭乗口であるプライオリティ・レーンを利用できる。利用には「BOIレター」が必要で、パスポートを更新したときは、BOIレターも更新が必要だ。

BOIレターについては別記事「BOIレターの入手法」を参考にしてほしい。

おわりに

海外では命の次に大事なパスポート。外国への入国に必要なだけでなく、外国での身分証明書としても使われるため、更新時には付随するいろいろな手続が必要になる。何をすべきか、この記事が忘備録としてお役に立てば幸いだ。

もしお気付きの点や、やるべきことなどあれば、教えていただければ助かります。

僕自身も、先日10年パスポートを更新した。10年後にこの記事を読み返して、今度こそは更新と同時に増補を申込みたいと思う(しかし、増補は廃止になるという情報もある)。

コメント

  1. 中村 幸次 より:

    私も今年更新なので この記事本当に助かりました。
    ひとつ質問です。
    エンポリアム2Fの「eastbourne」という写真屋を選んだ理由は 何からなのでしょうか? 5年前に更新した際に タイで撮った写真を持って東京の窓口へ行ったところ却下されてしまい。 撮り直しとなって2,400円の余計な経費がかかってしまいました。
    その為少々心配なところです。
    From 泰陸浪人

    • nisizawa より:

      泰陸浪人さん

      確かにパスポート写真の寸法は厳格ですよね。

      私がパスポートを更新したときは、ランシットの写真屋で撮影してもらったのですが、そこには各国のパスポート写真のサイズ一覧表がありました。その一覧表を見て、日本の寸法を確認して、写真をプリントしてくれました。私も事前に寸法を調べていきましたが、寸法は一致していました。

      エンポリアム2Fの「eastbourne」という写真屋でも、同じように日本のパスポート写真のサイズを確認してくれますので、この記事で紹介しました。

      タイで撮った写真が使えなかったというのは、サイズが基準通りだったのに却下されたのでしょうか?

      • 中村 幸次 より:

        Nishizawaさま

        無論、写真の大きさは基準通りでした。当地の業者に撮ってもらったものを持参したのですが却下でした。
        強いて言えば若干小さめに写っているかなという感じです。
        その時は 時間に余裕が無く何がダメなのか聞く暇も無かったので ”じゃあ どうすればいい?” という聞き方しか出来ず 旅券センターに隣接している写真屋で撮るように言われての出費となってしまいました。
        そこのスタッフはその写真屋と結託してるのかなと思えてしまいます。 
        ランシットの写真屋さんを紹介して頂ければ幸いです。

  2. 中村 幸次 より:

    おっ! 昔はここまで細かい説明が無かった。 というか見つけられなかったです。 助かります。
    写真屋は私が贔屓にしているところと ほぼ同じです。パスポート申請用写真の規格(平成28年4月20日更新)を持って同じところで再度トライしてみます。

    写真に関しては色々と苦い経験があります。 この記事を紹介させていただくと同時に私のブログでも そのことを書いてみたいと思います。

    ありがとうございました。