過去記事「タイでクラフトビールが熱い!」にも書いたんだけど、バンコクに近いクレット島に、クラフトビールの聖地があると聞いたので、ひとりでぶらりと飲みに行ってみることにした。
対岸から渡し船でクレット島へ
クレット島はチャオプラヤー川に浮かぶ中洲の島だ。まず対岸にあるクラーン・クレット寺(地図 )まで行く。
バンコクからクラーン・クレット寺へは、チャオプラヤー・エクスプレス(高速ボート)で来れるそうだ。僕はタクシーで来た。
(渡し船の料金係のおばあちゃん)
おばあちゃんに渡し賃5バーツを払う。
帰りは渡し賃を取られなかったので、往復で5バーツなのだろう。
待つこと数分。向こう岸から渡し船が来た。
(10人くらい乗れる渡し船)
船に乗る。船長はおじいさんだった。
まさか料金係のおばあちゃんと夫婦?
(船上から。チャオプラヤー川の景色)
クレット島にて
あっという間に向こう岸に着いた。
(クレット島の船着場)
クレット島の船着場では、犬がお出迎え。
渡し船に乗って仕事に行った飼い主を待っている忠犬かな。
(クレット島の風景)
僕がクレット島に着いたのは午後3時ころで、観光客はほとんどいなかった。
クレット島は、一応は観光地であるものの、住民がふつうに生活している島だ。
民家のあいだを曲がりながら続く路地を進む。
(クレット島の路地)
チット・ビアにて
すぐに目当てのクラフトビール店「チット・ビア」(地図 )に着く。
路地を歩いていても、店からの音楽が聞こえてくる。
オーナーの名前がチットさんなのでチット・ビア。そのままである。
(「チット・ビア」に入ったところ)
外では観光客を見かけなかったのに、店内はほぼ満員だ。
グループで来たら、席を見つけるのも大変そうである。
僕はひとりなので、カウンターに座る。
(「チット・ビア」の飲み物メニュー)
「ここで作っているビールはどれ?」と店員さんに聞くと、2~6がそうだと言うので、まずは2の「Orange Wit」を注文した。
この店は全て現金払い。注文したものをもらったときにお金を払うシステムである。
結局、2~6番を全部飲むことになるんだが、
- 果実の酸っぱさが効いている 3番「ラズベリー・サワー」
- 芳醇な香りの 6番「DEVA IPA」
が美味しかった。おすすめです。
(「チット・ビア」の食べ物メニュー)
ついでにフレンチフライも頼む。
(サーバからビールを注ぐお兄さん)
このビールを注いでいるお兄さんは、普段はラヨーンの工場で働いているだけど、今日は実家があるクレット島に戻ってきたので、ついでにチット・ビアを手伝っているとのこと。
(ビールとフレンチフライ)
頼めばクラフトビールの試飲もさせてくれる。左は4番の「ゴールドチット・ピルスナー」、真ん中は3番の「ラズベリー・サワー」。
店員さんもビールを勝手にがんがん飲んでいて、商売というよりは、ビール好きの同好会といった雰囲気である。
チット・ビアのビール醸造学校
(店内にある醸造所兼学校)
店内には小さな醸造所もあり、店で出すクラフトビールはここで醸造している。左奥にいる、帽子をかぶった人がマイスター。
ビール学校で醸造を学ぶこともできる。講義は、
- 日数:週1日 x 3週の計3日
- 受講人数:5~6人/1グループ
- 学費:7,500バーツ/グループ
タイでクラフトビール作りを目指す人の 80% はこの学校の卒業生という話だ。
タイでは、醸造所の免許を取るためには 1,000万バーツの資本金が必要で、他にも難しい条件がある。そのため、タイで正式に免許を取ってクラフトビールを醸造するのは難しい。タイ人がクラフトビールを作るとき、周辺国で作って輸入することが多いのはこのためだ。このチット・ビアも実は違法酒場(笑)だそうだ。
現在、合法の醸造所「MITR CRAFT 」を準備中とのこと。ページを見ると、2018年1月には試験醸造をしているので、もうすぐこちらのビールも飲めるようになるだろう。
(店内より。チャオプラヤー川を遡る船)
店員さんたちと話し込んでいたら、ビールを5杯も飲んで、いい感じに酔った。そろそろ帰ることにしよう。
ゆっくりしたいときにまた来よう
(広場で遊んでいる子どもたち)
広場で遊んでいる子どもたちの横を通って船着場に行き、また渡し船に乗って対岸へ渡り、タクシーに乗って帰った。
バンコクから小1時間で来れるクレット島。大したものはないけど、等身大のタイの生活に触れることができる、のんびりした雰囲気の島だ。ゆっくりしたいときは、またチット・ビアへビールを飲みに来よう。