前回のエントリ(2011年タイ大洪水の原因は?)では、コメントをたくさん頂きありがとうございました。
英語の記事をちょっと紹介しただけのつもりが、Google 先生で「タイ 洪水 原因」と検索すると3位に入る健闘、我ながら驚いております。その後日本の新聞からも良記事がたくさん出ていますので、そちらもご参考にされるとよろしいかと。
- タイの洪水被害が収束しない複雑な理由(日経ビジネスオンライン)
- 東京大学生産技術研究所 沖研究室(上記記事の参照先)
他にも良い記事があったらコメント欄で教えて頂けると助かります。
タイに住む人間と、タイで活動する企業にとっての関心は、来年以降もこの洪水は起きるのか?政府の対策によって、来年以降は洪水を防げるのか?という点です。
来年の5月からまた雨季が始まります。今年と同じく、また多くの雨が降るかもしれません。その対処を間違えれば、また今年と同じ洪水が起きるでしょう。
アユタヤ周辺で水没した日系企業の一部は、今回の洪水で被害を受けなかった、また今後も受けないであろう、チョンブリ県・ラヨーン県への移転を決定しています。これは復旧するよりも移転したほうが良いという判断であり、来年以降も洪水が起きるリスクを考慮したのでしょう。
今回の洪水は、タイ国内での政争の道具にもなりました。またいつのまにかタクシン元首相の恩赦令が閣議決定されてます。この政争の中、洪水を防ぐ対策が取れるのでしょうか。今後の治水政策に注目です。
さて、我がランシットの状況もご紹介しましょう。ランシット・パトゥムタニ通りが冠水し始めたのは10月16日。そのときから貴重品・服・食料・奥さん(笑)などを持ち、アパートから脱出しました。
その後水位が上がり、ウチのアパートの1階は完全に水没。近所の人が避難せずに残ったので電話で状況を聞いたところ、しばらくは電気・水道・下水も止まり、移動は舟。流れが早いので手漕ぎボートは使えず、エンジン付きのボートでないと移動できないとのことでした。いまは電気・水道は復旧したものの、水はあまり下がってないそうです(僕の部屋は階上にありますので、直接の被害はありません)。
そんなわけでもう1ヶ月以上、部屋は帰っておらず、いまはバンコクで仮住まいをしています。無理すれば部屋に帰れるのですが、移動手段がなく通勤できないこと、帰るには汚水に入らざるを得ないこと、食べ物を手に入れるのが大変なこと、などから、水が引くまでは無理して帰らず、バンコクにいるつもりです。
昨日(11月19日)のニュースによれば、ランシット市場には1億立方メートルの水が残留しており、あと1週間で排出できるとのこと。あまり期待はしていませんが、楽しみに待つとしましょう。
11月12日に撮影した、ランシット周辺の写真を貼っておきます。