10月初旬ころから、タイの東北・中部地方に洪水が発生しています。被害が大きいのはナコンラチャシマ県周辺で、その他にもロッブリ県やアユタヤ県でも被害が出ているようです。
僕の住むパトゥムタニ県も、チャオプラヤー川周辺では洪水が発生。ツイッターで知ったのですが、たまに90日レポートを提出しに行く移民局も水没したため、近所のセント・カルロス病院に仮移転したそうです。
ランシット周辺は土地が低く、大雨が降るといつも道路が冠水するので、もしかしたら洪水になるかも、、、と心配したのですが、ランシット運河は水位が高くなったものの、ギリギリ溢れることはなく、無事に乾季を迎えることができました。助かった~。
でも、どうしてランシットで洪水が起きずに済んのでしょうか、気になりますよね。興味があったのでいろいろ調べてみました。ニュースでは、ランシットにあるチュラロンコーン水門に堰を追加して、放水している様子を伝えていました。
このチュラロンコーン水門、僕の住んでいるソイのすぐ近くです。面白そうなので、散歩がてら歩いて見に行ってきました。
(チュラロンコーン水門)
チュラロンコーン水門は、全部で3箇所にわかれていいました。1箇所目は上のニュース動画の場所、2箇所目はこの写真にある古い水門、3箇所目はこれよりも新しい水門です。
現地に行ってみると、この水門で水を堰き止め、ランシットの水をチャオプラヤー川に汲み上げて、洪水を防いでいることがわかりました。その水位差は1mほどです。水門のおかげで助かったんですね。
この古い水門については、タイ語 wikipedia ランシット運河の項に、「ランシット運河はラマ5世の時代に建設された。東にチュラロンコーン水門、西にサオワパー水門が建てられ、1896年11月18日にラマ5世王妃によって開門式が取り行われた」と書いてあります。なんと114年前の水門です。
同時代の建築物を調べると、かのエッフェル塔が1889年に完成しています。世界遺産に比べれば非常に地味な建築物ではありますが、それと同じくらい古い水門が今もランシットを守っているのですから、素晴らしいことですね。
# 2010年11月8日追記
「中部洪水の原因はランシット運河掘削開始から122年経ち支流も含めて土砂が堆積し水深が浅くなった為」とのニュースを @akaguma さんのつぶやきで知りました。古すぎて問題も出ているんですね~。
さて、話は少々変わりますが、身の回りでいくつか洪水関係の出来事がありましたので書いておきます。
まず、タイのテレビ局 Ch3 では、洪水被災者への義援物資を受け付けていました。
(洪水被災地への支援物資をコンテナ車にのせているところ)
(寄付された食料・飲料などを、ボランティアの皆さんが荷造り中、、、芸能人はいませんでしたw)
タイの主なテレビ局や新聞社でも、同様の支援をしているそうです。特に欲しいものはペットボトルの水、インスタントラーメン、イワシの缶詰など。24時間受け付けているそうなので、みなさんも寄付されてはいかがですか。荷造りのボランティアも募集していました。
また、近所のフューチャーパーク・ランシットという大きなデパートに行ったら、いつもは見かけない、通勤用の大型バスがたくさん駐車していました。なんだろう?と見てみたら、洪水被害に遭った地区のバスや自動車に、駐車場を無償で提供していたのでした。
世の中には、いろいろな支援の仕方がありますね~