泰日経済技術振興協会、通称ソーソートーが出版している本は良書が多く、その中でもこの「日タイ口語辞典」はとても良い辞典ですので、簡単に紹介しておきます。
この本は『最新日米口語辞典』(エドワード G.サイデンステッカー、松本 道弘編纂 朝日出版社)の訳本です。日本語の部分はそのままに、英語をタイ語に翻訳したのだと思います。元本も非常に評判が良い本で、僕の愛読する福岡伸一の著書『生物と無生物の間』(福岡伸一著 講談社現代新書)の中では、以下のように紹介しています。
『アンサング・ヒーロー
「縁の下の力持ち」を英語でなんといえばよいだろうか。私が愛用している『日米口語辞典』(朝日出版社、一九七七)によれば、“an unsung hero”とある。歌われることなきヒーロー。サイデンステッカーと松本道弘によって作られたこの画期的な辞書は出版後三十年を経過するけれど今なお読むほどに楽しい。ちなみにこの項には、「He’s doing an excellent job though he isn’t getting any credit. と説明的に訳したほうが無難かもしれないが、やはり味に欠ける」としたうえでこの味のある訳が掲載されている。』
タイ語訳では บุคนที่เป็นกำลังสำคัญอยู่เบื้องหลัง (背後にいる大事な人物) ผู้ปิดทองหลังพระ (仏像の背に金箔を貼る者) となっています。後者は、英語訳とはまた違った、仏教国ならではの面白い表現ですね。
他にも、『かゆいところに手が届く』『埒があかない』 『その場 しのぎの』『子供だまし』といったさまざまな日本語のタイ語訳が載っていますが、日本語としてもかなりこなれた表現ですよね。タイ語ではなんと表現するのか、この本を読まないと僕には検討もつきません (^^;
アマゾンの日英版のレビューにあるように、普通の辞書のように引いて使うのは難しいかもしれませんが、時間のあるときに読めば、日本語とタイ語両方の表現力が上がりそうです。価格も695バーツと辞典にしては安いので、タイ語を勉強されている方はぜひ購入されてはいかがでしょうか。スクムビット29のソーソートーなどで売っていますよ。
コメント
はじめまして。小生 チェンマイ在住4年と少しで、現在、タイ国語ポー6と社会ポー6を教科書にしてヒーヒー言いながら勉強しているロングスティヤーです。日タイ口語辞典を購入しました。中の見出し語は、通常のタイ語読本では 出で来ないような 生きた口語が満載ですね。非常に面白い辞典を紹介いただきありがとうございました。これは、ブログに書かれていたように、辞典としての用法ではなく、読本として読みたいと思います。それでは、失礼します。
こんにちは。コメントありがとうございます。
英語に比べ、タイ語の学習情報は少ない世の中で、少しでもタイ語学習者のお役に立てればと思い書いた情報が、実際にお役に立てたと知りとても嬉しく思っています。
他にもいろいろタイ語のお勉強ネタがいろいろありますので、折を見て書いていきますので、これからもランシット日記をよろしくお願いします。