タイ・バンコクで深刻化する大気汚染PM2.5の情報まとめ

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(Photo By : Roberto Trombetta)

タイのバンコクでは、2017年1月末ころから、過去に例がないほど大気汚染が深刻化しています。

2018年2月になると、次のような記事が相次いで新聞に掲載されました。

バンコクでは8日、微小粒子状物質PM2.5が米環境保護局の大気質指数で「極めて健康に良くない」に相当する203に達した。同指数では50以下が「良い」とされる。
(出典:時事ドットコムニュース 2018年2月9日)

この記事では、バンコクやその周辺にお住いの方に向けて、大気汚染に関する情報をまとめました。タイでの生活の参考になれば幸いです。

大気汚染の現状は?

ウェブで大気汚染の状態を確認

タイを含む、世界中の大気汚染の状態を、リアルタイムで確認できるウェブサイトがあります。

世界大気汚染指数(World Air Quality Index)ウェブサイト

こちらのサイトから、確認したい場所の大気汚染指数を確認できます。

ここで用いているデータは、タイの天然資源・環境省が公開したデータを用いており、信用して問題ないと思います。このウェブサイトでは AQI(米環境保護局の空気質指数)を用いていることにご注意ください。

AQI とは?

AQI とは、米環境保護局の空気質指数であり、健康影響は次のように定義されています。

指数 カテゴリ(健康影響)
0 – 50 良い
51 – 100
101 – 150 敏感なグループにとっては健康に良くない
151 – 200 健康に良くない
201 – 300 極めて健康に良くない
栗色 301 – 500 危険

(出典:ウィキペディア)

AQI 100以上は注意、ということですが、これだけだとよくわかりませんので、日本の環境省の基準も見てみましょう。

日本の環境省の基準

日本の環境省は、PM2.5の環境基準を1日平均値 35μg/m3=AQI 99 以下と定めています。これは、タイの環境基準 1日平均値 50μg/m3=AQI 125 以下よりも厳しい値です。

やはり、AQI 100 を目安とするのが良さそうです。

また、日本の環境省は、PM2.5に関する「注意喚起のための暫定的な指針」を次のように示しています。


(出典:環境省)

ただし上の表は単位が μg/m3 になっていますので、下の表を用いて AQI に読み替えてください。

μg/m3 15 35 70 80 85
AQI 49 99 154 159 162

AQI の健康影響とほぼ同じ内容になっていることがわかります。

大気汚染への対策は3つ

日本の環境省は、高濃度汚染時(環境省暫定指針:1日平均値70μg/m3=AQI 154 以上)の対策として、次の3つを推奨しています。AQI がこれ以下のときでも有効な対策です。

1. 外出を減らす

不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす(呼吸器系や循環器系疾患のある者、小児、高齢者等においては、体調に応じて、より慎重に行動することが望まれる)。
(出典:環境省)

2. 外出時はマスクを着用する

外出する場合は、PM2.5に対応するマスクを着用する(なるべく顔との隙間ができないよう自分の顔に合った形状、サイズのマスクを選ぶ)。また、帰宅後は、手洗いやうがいを徹底する。
(出典:環境省)

マスクは「N95マスク」というタイプが PM2.5 に有効です。

タイでは Lazada で購入できます。

日本では Amazon で買えます。値段は日本の方が断然安いです。

いま日本からバンコクに来る方は、お土産で持ってくると喜ばれそうですね。

3. 屋内では空気清浄機を使用する

屋内では、換気や窓の開閉は最小限にして可能な限り外気を遮断し、部屋のサイズに適したPM2.5対応の空気清浄機を運転する。また、定期的にフィルターの清掃・交換を行う。
(出典:環境省)

タイでもSANYO製、日立製などの空気清浄機は、デパートやスーパーマーケット等で容易に購入できますし、タイの通販 Lazada でも売っています。

バンコクにお住まいでしたら、特に長時間過ごす居間・寝室で使用されることをおすすめします。

PM2.5による健康への影響は?

日本環境省が公開している資料「PM2.5の健康影響と対策」(pdf:3.38MB)によれば、

  • PM2.5の長期・短期曝露による死亡・心血管系への影響は明確

  • PM2.5濃度が上昇すると、当日または数日以内に死亡する人が増加するという関連の報告あり

となっています。この結果を見ると、可能な限り曝露を避けたほうが良さそうです。

大気汚染の原因は?

PM2.5の原因として、

  • 工場や発電所のばい煙
  • 自動車やバイクの排気ガス
  • ビルの工事現場から発生するホコリ
  • ゴミや森林の焼却(野焼き)

が挙げられています。

タイのネーション紙の2018年2月14日の記事によると、ラヨーン県にある出力1,434MWと660MWの2つの石炭火力発電所から発生したPM2.5は、2~9月はバンコクに飛来し、バンコクのPM2.5の20%を占めているそうです。

大気汚染はいつまで続くの?

バンコクは、10月中旬から2月中旬までは乾季で雨が降らず、空気中の微小粒子状物質が滞留しやすくなっています。2月中旬以降に雨が降り始めれば、状況は良くなるでしょう。

タイのバンコク・ポスト紙の2018年2月14日の記事によれば、政府は人工降雨を作って、空気中の微小粒子状物質を洗い流すことも検討しています。ただし、2月17日までの報道を見る限りでは、風向き(バンコクの風上で雲を作る)や湿度(60%以上が必要)などの条件が揃わず、人工降雨は実施できていません。

関連リンク

世界大気汚染指数(World Air Quality Index)ウェブサイト
日本国環境省 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
PM2.5、AQI 濃度換算・計算
ウィキペディア 空気質指数